暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第51話 油断大敵……分かっていたのに
[3/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
着すると、私はそのまま中に入ります。

「お待ちしておりました。支部長の所へご案内します」

 中に入ると受け付けらしき女性が、立ち上がり私に話しかけて来ました。私は頷き女性の後に続きます。そしてその時に気付きました。私の格好は、普段余所に行く時に着るいつもの服装です。この女性も黒髪の貴族だったので、一発で私だと分かったのでしょう。

 チィ

 ビクゥ

 思わず舌打ちをしたら、受付の女性に怯えられてしまいました。焦りの所為でイライラしているとは言え失敗です。

「変装し忘れたのは迂闊ですね。失敗しました」

 言い訳の様に私が呟くと、女性は小さくホッと溜息を吐きました。平民にとって貴族は恐怖の象徴ですから、この反応も仕方が無いのでしょう。ドリュアス領内ならこの様な反応はされないのですが、領外だとこんな物ですか……。

「こちらが支部長室です」

 そうこうしている内に、支部長室に到着しました。女性にノックしてもらい支部長室に入ると、そこにな何度か顔を合わせた事がある初老の商人が居ました。確か彼も資料庫を建設した時に見た顔です。アンリもそうですが、あの時の面子は出世している様ですね。確か名前は……。

「ブノワです。お久しぶりです。坊ちゃん。大きくなられましたな」

 確かオーギュストの紹介で来た、マギ商会の設立メンバーでしたね。設立メンバーの最年長で、カロンやアンリ達の師匠的立場の人だったはずです。資料庫建設の時も若いメンバーに指示を飛ばしていました。まさにマギ商会の父と言っても良い人ですね。

「お久しぶりです。ご健勝の様でなによりです」

「まだまだ若い者には負けられませんよ」

 笑うブノワですが、このままユックリと話しても居られません。

「早速ですが……」

「まあ、そうお急ぎになる事もありませんよ」

 そこでブノワの柔和な笑みが消えました。

「今情報を集めさせています。……襲撃犯は雇われ傭兵のみで構成されていました。その中に我々の息のかかった者を潜り込ませたので、もう直ぐ報告が上がって来るでしょう」

 何でもない事の様に言うブノワですが、言うほど簡単な事ではありません。既に傭兵達にエルフが関係している事がばれているハズですし、これ以上情報を集めようとすれば、マギ商会とエルフの関係が噂になる可能性もあります。

 もちろんその程度の噂なら、いくらでも誤魔化し様があります。しかしマギ商会は最近参入してきた新興の商会なので、既存の商会に煙たがられているでしょう。この噂を利用して神官を巻き込めば、かなり効果的な風評攻撃にする事が出来ます。もし、そうなれば……

「エルフが関係しているのですが、大丈夫なのですか?」

「そう心配そうなさらないですださい。商会に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ