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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜
第十八話
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予想だにしない一撃と、その痛みに、その場に膝をついたトラバント。
レイニーはその隙を見逃さず、右腕の肘から下を斬り飛ばした。
ざぁっと舞った血が俺とレイニーに振りかかる。

「とどめを!」


















レイニーは振りかぶった大剣の平でトラバントを殴りつけ昏倒させた。

「王子、殺しちまったらアタシら逃げ切れる望みが無くなる。我慢しな。
トラバントの腰ぎんちゃくども!オマエらの大事な大事なご主君さまがお怪我されあそばされたぞ、カパドキア城の司祭に治してもらわなくていいのかい!
あぁ、まずは武器を捨てな!そして、ワイバーンは置いていけ!」
俺なんかよりもずっとずっとトラバントを殺すべき理由があるレイニーが耐えているのだ、俺が何を言えようか。
レイニーは壁際に転がっていたトラバントの右腕を縦に真っ二つに切り裂き、ブーツの踵で踏み続けた。



トラバントを収容し、ほうほうの態で逃げ出した姿を確認し、俺たちは大慌てで逃げる準備を整えているとレンナートさんが代官と村長を連れてきた。

「村長、ワルイのは全部アタシになすりつけておいてくれよ。それでも迷惑かけちまうけどさ……」

「お嬢様、いきさつはこの方から伺いました。これをお役立ててください。いつか身の潔白を明かし、お戻りになられるまで皆お待ちしております」
代官が差し出したお金の入った小袋をすまないね…とレイニーは受け取った。


「さっき、最初の男を斬り倒した時、ミゼとアニーがアタシの心の中で力をくれたんだ。これから逃げる為にも名前を変えちまおうと思って、これからはレイミアって名乗るよ。どうだい?」

「…レイミア、良いお名前だと思います」

「だろ。よろしくな」
レイミアは俺の背を軽く叩いた。
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