十九話〜ジュエルシード売りの少年〜
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合っていると、唐突に隠と神白の両手両足に青いリング―――バインド―――で拘束された。どうやら、ハラオウンが行使した魔法らしいが、そのハラオウン本人の表情は見た目は澄ました表情をしているが、額をよくよく見ると、うっすらと青筋が浮いている。
武器を収めろという言葉に両者共に舌打ちなり、悪態を吐きながら……まあ、悪態を吐いたのは神白のみだったが、大人しくした。
ふと、誰かがこちらを見ているような気がした。サーチャーか何かでもつけられているのだろうか。
(ルナ、周りにサーチャーはあるか?)
(はい。リンディ・ハラオウンのサーチャーがあります)
(それ以外にだ)
(…………無いようですね。どうかしましたか?)
(そうか……いや、なんでもない)
まあ、なんやかんや考えていると、どうやらアースラに行くことになったらしい。
うん。今かな。
(もしもし、そこの管理局員の人)
(誰だ? ……姿を見せてくれないか)
(ちょっとそこの女の子の同級生だから見られたくないかな? ここで待ってるから後で来てくれません?)
(ああ、分かったよ)
待つこと二時間、ようやく現れる魔法陣。
(ようやくですか)
(そう言わないでくれ。こちらにも事情があるんだ)
「こんばんは。えーと、クロノ・ハラオウンさんだったかな?」
二時間前と同じ場所から現れると、ハラオウンは少し驚いたような顔をした。
「そんな所にいたのか」
「気配を消すのは結構得意なもんで。っていうのは冗談で遠くから木の化け物が見えたから少し聞き耳を立てただけだよ」
「そうか。まあそれはいい。それで、用は何なんだ?」
「これ、集めてるんだろ? あげるよ」
懐からジュエルシードを三つ取り出し、手渡す。
もう、実験にジュエルシードは必要無いことが分かったからこれは持つ意味がない。
「っな! こんなに……!!」
「おう。町を散歩してたら結構落ちてたぜ?」
「少し話を聞かせてもらいたいんだが、アースラまで来てもらってもいいか?」
「もちろん」
転送魔法陣に乗り込んだ先に見えた先は、アースラーという次元空間航行船だったか? その船の中は中々に機械的な内装をしている。
船とはこのような物だったか……随分と技術も進歩したもんだ。
ハラオウンの後をついて行きながらだらだらといらない思考をする。
しかし、どうやって話を有利に進めたもんか。
悔しいことに異世界では話し合いで戦う場面はほとんど無かったし、俺自身口は達者な方ではないことは理解している。
策士みたいに二重三重にも会話の中に罠を張り巡らせるなんて真似は俺には無理だ。
せめて相手がどんな意図でこのような言葉をいったのかを理解出来れば、完璧にやりこめられる、なんてことは
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