第二章 A's編
第四十九話 『思い出される記憶。生まれる謎』
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よし。助けるもよし。私は口出しはせずフェイトの判断に任せることにしている。
以前にみんながもしかしたら私に依存しているかもしれないという話題があったりしたので最近は判断は自分達だけで解決させている。
「助けるよ。放っておくこともできないし」
「フェイトがそう判断したなら私はそれに従うわ」
そしてフェイトの目にも写ったのだろう。
怪物の触手で拘束されているシグナムの光景が。
「…ほっとけないよね?」
「まぁフェイトの気持ちも分からないでもない。でも今フェイトは無駄に魔力を消費するのは避けたほうがいいわ。だから…」
私は弓を投影し数本矢を構える。
「ふっ!」
放たれた数本の矢はシグナムを拘束していた触手を貫き破壊した。
それによって自由を得たシグナム。
さらに、
「全投影連続層写!」
少しばかり巨大な剣を複数投影して一気に放つ。
たちまちこちらに意識が向いて向かってきていた魔物の体に幾重にも突き刺さり魔物は絶叫を上げてその場に崩れ落ちる。
『シホちゃん! 助けてどうするの!? 捕まえるんだよ!』
「すみません。でもあれは先に潰しておきたかったので…」
エイミィさんの怒り気味の声に謝罪する。
「礼はいわんぞ。シュバインオーグ、テスタロッサ」
「お邪魔でしたか…?」
「蒐集対象が潰されてしまった」
「それは仕方がないでしょう? あなたが潰れたら“誰かが”困るし、こちらも捕まえられないからね」
誰かが、という言葉にシグナムは一瞬優しそうな表情になり、
「…ああ、そうだな。主が大変悲しむだろう」
「そう。それじゃ…」
私が少し話を切り出そうとした思った時、突如として私の真上から殺気を感じた。
来るにしてもこんなに早くッ!?
とっさに上を向くと太陽の光で視界が少しボヤけてしまったが確認できた。
相手は…!
「アーチャー!?」
「ふんっ!」
「ちっ!?」
アーチャーが双剣を私めがけて振り下ろしているのを確認して私も干将・莫耶を投影してそれを防ぎそのままアーチャーの体重分の重力にかかり地面へと落下していった。
「シホ!?」
「フェイト、安心して! あなたはシグナムに専念しなさい!」
落下していきながらも私はフェイトにそう指示して地面になんとか着地した。
アーチャーもしっかりと着地できたようで無言で双剣を構えている。
「主のあなたが白兵戦を仕掛けてくるなんてね…」
「私にできるのはこれくらいだからな」
「さっきまでどこにいたのかとか聞きたいところだけど、まぁいいわ。さて、それじゃ“今回は”剣で語り合いましょう?」
「ああ、今回はな」
そして私とアーチャーは同時に地面をかけた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ