暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
全てが始まり、終わった場所
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ないからな」
「ちょ、ちょうぜい……。それって一体何なの?」
「体のいいカツアゲさ。気をつけろよ、奴等よそ者だからって容赦しないぜ。おっ、一個落ちそうだ……話はこれで終わりだ」
男はそう言って、顔を厳しくする。男の視線を追うと、赤金色に色づいた葉をびっしりと付けている街路樹の葉陰に、深紅の楕円形をした実が成っているのが見て取れた。
おそらくこの男は、あの実が落ちてくるのを待っているのだろう。なんとも暇人な………
それよりも、東七区だったか?そこにとりあえず行ってみるしかないのだろう。
数十分後───
「迷った………」
レンは絶賛迷子中になっていた。当然のことながら、一緒に歩いていたマイも含めて。
「……ねぇレン。これって迷子ってゆーのかもなんだよ」
「……言われなくても解かってます、ハイ」
心が折れそうだった、いろんな意味で。
「うぅ。ホントにここ、どこだよぉ〜」
えぇえぇ、自分でも情けないってのは分かってますよ。でも仕方ないじゃん!久々に来たんだし。土地勘ゼロに等しいし。
現在地点が東五区辺りだとは解かっているのだが、そこから目的地である東七区までの道のりが全くと言って言いほど解からない。
人に訊こうと思っても、その人がいない。さっきから探す対象が場所ではなく、人になっているのだが、悲しいくらいに出会うのがNPCだけだった。
「うぅ〜………」
きょろきょろ見回していると、天の助けか目の前にプレイヤーの一団が現れた。
先頭には女性。暗青色のショートヘア、黒ぶちの大きなメガネをかけ、簡素な濃紺のプレーンドレスを身にまとい、腰には鞘に収められた小さな短剣。
何やら表情を厳しくして走るその女性の後ろには───
見慣れた男プレイヤーと、女性プレイヤーの姿。
「あっ!おーいキリトにーちゃん、アスナねーちゃあぁぁ──………ってあれ?」
無視された、しっかりと。しかもキリト達の後ろにはぞろぞろとレンと同い年くらいだろうか、少年少女が付いていく。
しかも彼らの表情は皆一様に、穏やかとはお世辞にも言えなかった。
「…………………」
「レン………」
心配そうに見上げてくるマイの頭をひと撫でし、レンはにっこりと笑う。
「マイちゃん、ちょっと我慢してね」
「……うん!」
元気よく頷くマイに、レンはもう答えずマイの小柄な身体をおんぶする。やはり少し重いが、跳べないことはない。
もはや聞き慣れた風を切る音が、耳の中で響いた。
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