第2話
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ではお店をやっていくには、大変だった。だから、私は夢を諦めて父さんとの大事な思い出の詰まったこの花屋を守っていこうと決意したんだ。
悠斗が高校一年生の夏にドイツに転校して行った。まあ、私も女子にしては力があった方だから、悠斗が居なくなった穴は何とか埋める事が出来た。私としては、また悠斗が帰ってきたら3人で花屋を守っていこうと考えていた。けど、母さんは違った。私は母さんの隣に寄り添っている天王寺を見る。 今ではこうして割りと仲良く3人で暮らしているが、私が高校一年生の時に初めて母さんが天王寺を連れてきた時は本気で母さんと喧嘩をした。今まで、私達3人で守ってきた父さんとの大事な店に、線の外側の人間なんか入れたくなかった。
あの頃の私は子供だった。母さんの気持ちを考えずに、自分の殻に籠もっていたのだ。
母さんの話も聞かずに家に帰るのも遅くしたりして、心配ばかりかけてしまった。
しかも、私が原因で母さんは心労がたたって倒れてしまった。
そのせいで悠斗がわざわざ、ドイツから戦闘機に乗って帰って来たのだ。
(まあ、あの時は私も驚いたな。まさか、悠斗がわざわざドイツから帰ってくるなんて思わなかったから)
帰ってきた悠斗に私は凄く怒られた。私を見つけた時、悠斗は初めて私をビンタしたのだ。
(ビンタされた時は驚いて、声が出なかった位だったからね)
そのあと、悠斗は私を優しく抱き締めてくれた。あの時の悠斗の温もりは今も忘れていない。
まあ、その後は悠斗が私と母さんと天王寺の仲を取り持ってくれたおかげで、今の様な状態に落ち着いた。
(あの頃から悠斗を一人の男性として見るようになったんだ。私は悠斗が好きなんだ。大好きで側に居て欲しいんだて気付いたんだよね)
まだ、悠斗に伝えていないけど、必ず伝えるつもりだ。
「な・・・み?」
「なごみちゃん?どうかしたの?」
「え?いや、なんでもないよ」
3人が心配そうに私を見る。考え事に集中しすぎたらしく、話しかけられたのに気が付かなかった。
「なごみ。疲れているなら休んでてもいいんだぞ?」
「大丈夫だよ悠斗。それより、此方にはどれくらい居られるの?」
「そうね〜。悠斗君はどのくらい此方に居られるのかしら〜?」
「うん?明日の午前中には戻るつもりだよ。今日は家に荷物を取りにきただけだからね」
悠斗がお茶を飲みながら言い放つ。私には意味が分からなかった。
(どう言う事?悠斗は今、社会人で働いているって事なの??)
私が内心で動揺していると、母さんと天王寺が話を始めた。
「のどかさん!やっぱり、悠斗君は凄い子だね。九鬼財閥で働いているなんて、超一流企業のサラリーマンだよ!」
「そうですね〜。悠斗君なら不思議に感じないんだけど。
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