第1話
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い揚羽姉様を破った等とは、認めはせんからの!!」
ビシッと指を指す紋白様。そもそも、さっきの戦いは俺から仕掛けたのでは無く、揚羽様が仕掛けてきたんだが。
「紋白。我が伴侶に選んだ悠斗を侮辱するつもりか?」
「あ、揚羽様!落ち着いてください」
「小十郎、黙っておれ。我は紋白に尋ねておるのだ」
何故か空気がピリピリし始める。小十郎が揚羽様に冷静になるように進言するも、一撃で切り捨てられた。周りの侍従の方々も直ぐに動ける様に構える。
(様は、紋白様は大好きな姉の揚羽様を俺に取られたと、勘違いしてるんだな)
普通の中の良い兄弟姉妹なら、珍しい訳ではない。俺がまだ、普通の社会人だった頃親友の姉が結婚する事になった時、親友が酒を飲む度に姉を取られたって、よく言ってたからだ。今の紋白様も、同じ様な事なのだろう。ならば、誤解を説くとしますか。
「揚羽様。紋白様。そんなに邪険にならないでください」
「悠斗!貴様は何故怒らぬ!武人としての誇りを侮辱されたのだぞ!」
揚羽様が怒りの表情を見せる。俺はぶつけられる揚羽様の殺気をサラリと受け流す。
「紋白様。俺と揚羽様はあくまで、手合わせをしただけなのです。死合いを申し込まれた訳では無いのですから、厳密に言うと、あくまで手合わせで揚羽様が負けただけなので死合いで揚羽様が負けた訳ではありません。よって、揚羽様は誰にも負けてはいないのです。そうですよね、ヒュームさん?」
「うむ。確かに揚羽様は手合わせを行っただけだ。紋白様が言っている死合いによる、勝利はしておらんのだ。だいたい揚羽様は俺との手合わせで散々負けてはいるからな」
「む?そう言えばそうだったな。我としたことが忘れておったわ」
「む?そうじゃったのか!それならば、悠斗兄上に失礼しました。我が悪かった。申し訳ありません」
俺に向かって頭を下げる紋白様。なんとなく、小動物の様に見える。どうやら誤解が解けて何よりだ。俺は立ち上がり、紋白様の隣に立つ。
そして頭を撫でる。
「へぇ!?な?ど、どうしたのじゃ!?(なんとも、暖かい手じゃの〜)」
「嫌だったなか?」
「い、嫌じゃない。寧ろ、驚いただけなのじゃ。しかし、なんで行きなり撫でてくれたのじゃ?(優しい撫でかたじゃの。もっと撫でてほしいの〜)」
「(なんとなく、プルを思い出して撫でたくなったから、なんて言えないしな)うん?理由は特にないかな。強いて言えば、可愛かったからかな?」
「か、可愛い!?妾がか?(初めてなのじゃ!父上以外の男性にそう言われたのは!)」
なにやら、頬を紅くする紋白様。具合が悪いのだろうか?
「む!悠斗よ。我の伴侶にも関わらず、妹の紋白ばかり撫でるでない。我もなでよ!」
「え!?
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