第0話
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十郎。小十郎、喉が渇いた。お茶を用意せよ」
「は!唯今!」
小十郎は持っていた、急須等を使ってお茶を用意する。いつの間にか畳の上に座布団が敷かれていた。九鬼さんは既に座っている。俺も九鬼さんの正面に座る。
「揚羽様。お茶をどうぞ。悠斗殿もお茶をどうぞ」
「うむ。頂くとしよう」
「小十郎ありがとう」
俺は出されたお茶を頂く。湯飲み茶碗からは湯気がモクモクと立っている。俺はお茶を口にする。
(う〜ん。少々熱いな。もう少し温度が低くてもいい気がするな。お茶事態はなかなか美味しいんだけどな)
俺が内心で小十郎の煎れてくれたお茶の評価をしていると、九鬼さんが湯飲み茶碗を置いた。
「この馬鹿者が!!お茶の温度が熱すぎるわ!!」
「グハァ!申し訳ありません、揚羽様あああああああああ!!」
九鬼さんは何等躊躇いもなく小十郎を殴り飛ばした。ドップラー効果で小十郎の断末魔が響いていく。
(バイオレンスだな。神様、ホントにこの世界は武人ばかりなのか?ぶっちゃけ、ギャグコメディじゃないのか?)
「小十郎の奴、大丈夫なのか?」
「ふん。あやつと我とのやり取りなど日常茶飯事よ。それより悠斗はどうしてあんな所で倒れていたのだ?」
九鬼さんが俺と向かい合う。彼女は立っているので、俺が見上げる格好だが。
「(え〜と、どう説明すればいいんだろうな?まあ、事実を話すか?あ、神様から記憶のフォローがきたな)はい。俺が倒れていたのは理由は分かりません。俺も良く覚えていないのです」
「そうか。まあ、我が見つけたから良かったが、見つけられなかったら今頃雨でずぶ濡れになっている所だったぞ」
「そうでしたか。重ね重ねありがとうございます」
俺は頭を下げる。九鬼さんに見つからなかったら酷い目にあっていたんだろう。本当に感謝しか出来ない。
「ふはははは!案ずるな。我は礼を言われる為に助けたのではないのだからな!所で話は変わるが悠斗は、武道を嗜んでいるのか?」
「(この世界だと、俺はMIT(マサチューセッツ
工科大学)を8歳で飛び級して卒業してる事になってるのか。凄すぎだろ!)まあ、そこそこの腕前ですがなにか?」
「そうか。ならば、我と勝負するのだ!」
「は?」
こうして俺は九鬼さんに決闘を申し込まれた。
状況を理解出来ていない俺を尻目に九鬼さんは部屋を出ていった。俺は慌てて彼女の後を追うのだった。
悠斗sideout
揚羽side
我は今自宅近くで助けた悠斗を引き連れて、庭に向かっている。悠斗は一見すると一般人に見えるのだが、我の勘が強者だと告げておるのだ。
(悠斗自身はそこそこの腕と言っているが、我の勘では我に近
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