十八話〜職が・・欲しいです・・・!!〜
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すぐに動かした時、怪我した所が痛むためゆっくりと、丁寧に、治している。
なのに何でやたら艶っぽい声を出している。お前本当に九歳か?
実は未来のフェイト・テスタロッサが逆行しましたー! とかそういうオチは……ないな。
……うん。無いはず。
なら……これは、もしかして…………天然……?
怖いわーまじ怖いわー。
―――私の妹は世界いちいいいいいいいいいいいい!!!―――
まあ、それはさておき。この少女の体は中々酷いことになっていると思う。
「次は手が終わったから……腕か? 腕出して」
「……ん」
顔を少し赤らめながら右腕を差し出し、その腕には鞭で叩かれた痕が多く残っている。
このような傷が両手両足に腹と背中にあるのだから大変だ。
勿論下着姿になってもらってどこに傷を負っているのかを確認した。
……精神コントロールはバッチリさ。
あの一人になった頃から精神統一を暇つぶしにしていたせいか、かなり精神コントロールが上手になったと思う。後、魔力を節約して、且つ節約前と同等の威力を出せるようになっている。これは親友に比べて圧倒的に少なく、肉体面でも頑丈さに於いて負けている俺が単騎で魔物の大群に戦うための唯一の方法だった。
魔物の大群には小手先の技じゃ追いつかない。殲滅魔法……しかも敵が丁度倒れる程度の魔力に調節して使わなければ俺には到底太刀打ち出来なかった。
なのに、親友の明なんかはただ、敵の群れの中にダッシュで飛び込むだけで敵は粉砕され、片腕を振るだけでほぼ触れた敵は粉となる。
他の親友も似たようなもので、何故ここまでの人外と同じ道を辿って俺だけが生き残ったのか未だに不思議でならない。
……俺も死ねば英霊になれるだろうか。
「いや……無理だな」
「? どうしたの?」
「いや、なんでもない」
顔を桜のようにうっすらと染めながらも、不思議そうな顔で聞いてくるフェイトを適当にあしらい、まらぼんやりと思考を続ける。そんな事はありえない。あいつらが元気にしていただけでもよしとするんだ。
……今では更に別方向の訓練もしていて、笑おうと思えば悲しくても本気で笑っているように見せれるし、悲しもうと思えば転げまわりたい程可笑しくても、真摯に悲しんでいるように見せることが出来るようになった。
これが何の役に立つのかは知らないが、なんとなく練習を続けてみようと思う。
「……これで両腕も終わり。ほら、次は足だから足出して」
「……っぁ。………んっ…………」
この変に艶っぽい声を聞きながら治療するというのも後少しなもので残りは背中のみ。
「それにしても……随分と大変な傷だね」
「それは仕方がないよ。私が母さんの期待にこたえることが出来なかった
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