第2話 契約のコトバ
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件は起きた
その日もフェイトとアルフが出会った時のように雨が降る日だった
その日はアルフの姿が無く、フェイト、リニス、月斗の3人は屋敷中を探し回った
「フェイト!」
「リニス! アルフ、見つかった?」
「いいえ、ですが、たぶん外にいます。今、月斗が探索魔法で探してくれています」
その時、フェイトとリニスの元に念話が届いた
『フェイト! リニス! アルフを見つけた。そっちのほうが近い!」
『分かりました。今、そっちに向かいます!』
2人は月斗に言われた場所へと走り出した
「フェイト、あそこ」
リニスが指差した先にはアルフがいた
「あ、アルフ! よかった…心配したんだよ」
そう言ってフェイトは歩み寄るが
「来ないで!」
「…アルフ?」
「使い魔って…主人の目的のためだけに創りだす命なんだって…ほんと……? 維持するのがすごく大変だから、目的に合わせて創るって、目的を終えたら消しちゃうって……ほんと?」
アルフは雨に打たれながら、涙を浮かべて聞く
「なんで…なんで急にそんなこと…」
「たぶん書庫です。あなたに見せようと私と月斗で使い魔関連の本を出していたので…たぶんそれで」
リニスは小声でフェイトに言う
「フェイトも…目的が済んだら…私を捨てる? 消しちゃうの?」
雷鳴が辺りに響いた
「そんなの…いやだ。フェイトに捨てられるのも…消えちゃうのも…いやだぁ!」
フェイトはアルフのそばへと歩み寄り、やさしい声音で言う
「…捨てないよ。捨てたり、消したりなんか、しないよ」
「でもぉ、私、フェイトの使い魔だ。友達だって、姉妹みたいだって、思ってたのに…」
「…友達や、姉妹みたいじゃないと…ダメかな? 使い魔と主人って関係かもしれないけど。私はうれしかった。楽しかった。大きくなったら守ってあげるって言ってくれて。すごくうれしかった」
「フェイト……」
「契約の内容、考えたんだ。聞いてくれる?」
「うん」
「汝、使い魔アルフ。主、フェイトとの契約の元、以下の制約を遵守し、履行せよ。
その四肢と心を持って自らが望む、満足できる生き方を探し、それを行え
いかな地にあっても、主と遠く離れても、命が尽きるまで、その制約を胸に」
死ぬまで供に生きる。この当時の契約としては考えられない契約だ
フェイトはアルフを捨てない、消さない、生涯を共にするという誓いをフェイトは言ったのだ
フェイトは続ける
「私がアルフを使い魔にしたのは、アルフに死んでほしくなかったから、だからこの先、別に私と離れても、どこに行ってもいい。自由な狼を縛る鎖を私は持たないし、使わないよ。だけど、今までみたいに私のそばにいて、
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