十七話〜邦介の受難〜
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「それで俺の所に来たと。帰りの会が終わって、さあ帰るか! と意気揚々と鞄を持った俺を引き止めてまで聞きたかったことだと言いたいのか」
放課後になってすぐに邦介君を三人かかって捕獲したけど、捕獲された当の本人は凄く面倒くさげだ。
「なによ。あたし達と喋れるっていうのよ! 少しは感謝しなさい!」
「あーうん。了解した。昨日の秋山さんに続いて今日は月村達か……」
そう言って邦介君はアリサちゃんを拝み始めた。……感謝しているつもりかな?
それに最後の方の言葉は小さくて聞き取れなかったけど、何て言っていたんだろう。
「ふざけないでちゃんと話を聞きなさい」
「了解。サー。それでどんな用事だ?」
「あんたの手袋を外しなさい」
「無理」
「何よそれ!」
「アリサちゃん落ち着いて。邦介君、触らせてもらうだけでいいからちょっと外してくれない?」
「触るだけならいいけど外すのは無理。それに何で触りたいんだ?」
事情を話すとあっさり触ってもいいって返事をくれたけど、なのはちゃんのお守りも触らせて欲しいらしい。なんでも自分でも本当に同じ素材なのか気になるみたい。
「ほい。しっかり触って感触を覚えたまえ」
邦介君が左腕を差し出して、私達がそれを皆して触る。
はたから見れば変な光景だけど、人が来ない屋上まで連れてきたから大丈夫。
「……やっぱり同じみたいだね」
「そうね。色も感触もほとんど同じよ。あんた、この手袋どこで手に入れたの?」
「正直俺も何処で手に入れたか忘れた。親戚の人が誕生日にくれたからな。それと高町さん、お守りちょっと貸して」
「うん、いいよ。はい」
なのはちゃんからお守りを受け取ってから色々な角度から眺めている邦介君。
一分くらい経つとなのはちゃんに返してくれた。
「確かに俺のと似てるね。まあ、俺も今度この手袋をくれた親戚に会ったら聞いてみるよ」
そう言って邦介君は屋上を去って行った。
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