第8話
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も知らない、二人だけの戦いが繰り広げられていた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「喰らえっ!」
右手の収束弾をゼロに放つ。
「誰がっ!」
難なくゼロは回避してみせ、反撃の体勢を整えている。
「受けてみな!」
ゼロの反撃は、俺の予測からはるか遠い攻撃だった。
「腕を飛ばした…!?」
ロケットパンチ、簡単に言えばそうなる。
しかし、初期動作がほぼ皆無な為、回避が間に合わず、左手の防御エネルギーを使わされる羽目となった。
「くうぅっ…!だけどっ!」
左手の出力を上げ、飛んできた拳を弾く。
弾き出され、無茶苦茶に回転しながら、拳はゼロの腕へと戻った。
「面食らった顔つきだな。ま、無理もないけど、な!」
言葉を紡ぎながらも、両手を腰だめに構え、手の間にエネルギーの玉が生成される。
「コイツはどうだい!」
「お断り、だ!」
うち放たれたエネルギー玉を右手のエネルギーの刃で叩き切る。
両断されたエネルギーは、背後で焔の華を咲かせる。
やりづらい、それが、ゼロを相手にした率直な感想だ。
全てが初見であることを除いても、素の性能の高さに加え、ゼロの才覚が上手く噛み合っている。
対して、こちらは先の宮間さんとの戦いで手の内の大半を見せている。
俺がゼロの動き一つ一つに注意を向けなければならないのに、ゼロは俺の両手を注視していれば良い。
しかし、今のゼロに必要なのは、価値ある『何か』をその手に掴むことだ。
勝敗は度外視した、全力の激突が不可欠になる。
「これならっ!」
右手のエネルギーの刃が形を変える。
刀身が短く、幅が広くなる。
「手を変えてきたか。だが、その程度なら通じないが?」
「呆けてお喋りとは余裕だな!」
「!むうっ!」
右手だけだったエネルギーの刃が、左手にも生成される。
日々一夏達と訓練をしていて気付いた。左手のエネルギーの供給を切り、右手のだけを出力させれば、両手で収束できる。
但し、左手では収束弾は撃てない。あくまでエネルギー刃を両手で出せるだけだ。
でも、今はこれだけでも十分!
突撃しながら両手のエネルギー刃を振るう。
最高速で上回っているならば、とるべき戦法は自ずと見えてくる。
「くっ…、ふっ…!」
刃を避けなから、下がっていくゼロ。掛かった…!
「自分より速い相手に後退は下策だな、その失態…、突かせてもらう!」
両手を組み合わせて腕を前に伸ばし、ハイパーモードを発動。
機体が黄金に染まり、つき出した両手から黄金のエネルギーの刃が出現する。
切るための刃ではなく、刺し貫く為の刃。
速度と破壊力を両立できる、今出せる最
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