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戦国御伽草子
弐ノ巻
ひろいもの

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ゆ、由良そんなに大きい声も出せたのね…。



他人が自分よりも混乱していると、自分は落ち付いてしまうものなのか、さっきまで騒いでいたあたしは少し冷静になれた。



「兄上様、信じられません!わたくしは、確かに瑠螺蔚さまにはやく義姉上さまになっていただきたいと申しました。けれど、よもやこんな無体なことをされるとは!高彬兄上様は、こんなことをされるような人ではないとわたくし信じておりましたのに!見損ないました!瑠螺蔚さま!」



由良がくるんとあたしを向いた。



「あ、ハイ」



思わず敬語になったあたしに、由良はささっと寄ると、両手をしっかり握った。



「行きましょう」



「えっ行くってどこへ…」



「待て由良!ちがう誤解だ!落ちつけ!誤解、誤解なんだ!弁解させてくれ!」



「兄上様!」



由良が高彬を振り返った。にっこりと笑う。かわいい…じゃなくて。



「絶交ですわ」



由良はかわゆく微笑んだまま、ぴしゃりと言った。
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