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魔法少女リリカルなのはstrikers〜黒円卓と機動六課〜
序章「動き出す黒円卓」
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屋があった。
そして、その中央にはまるで光すら吸い込んでしまうほどではないかと思わされるほどに漆黒かつ巨大な円卓が置かれていた。
それを囲むように存在する十三の席。その二番目にゆっくりと腰を下ろした義之の視線の先には六番目の席に座ったこれまた義之と共通した意匠を持ち、所々改造された軍服に身を包んだ場違いとしか思えない金髪の少女――芳乃さくらに注がれていた。

「義之君も来たから説明するね。二人に言ってきてほしいのは今度、新しく機動課に設立する新部隊の査察と警護だよ」
「警護?査察は分かるが、どういう事っすか?」

 さくらの言葉に疑問を挟んだのは義之と同じように四番目の席に座っている病的なまでに白い肌と白い髪を持つ先天性色素欠乏症(アルビノ)の男性――ヴィルヘルム・エーレンブルグだった。

「たしか、創設する部隊ってエースオブエースやら色々といたはずだったと記憶してるんすが……」
「うん。たしかにそうだよ。エースオブエース、金色の死神、陸上局の切り札にヴォルケンリッター。いまやミッドで知らぬ人のいないほどの有名人やそのほか将来有望と言われているスタッフや人員で構成されている。――まあ、ありていに言えば最強の部隊だね」
「最強ね……」
「出たよ、戦闘狂」

 最強と聞いて、どこか楽しそうに舌なめずりするヴィルヘルムを見て、義之はげんなりした様子で突っ込む。

「うるせぇ、カイン。いいじゃねえか、今じゃ碌に戦える奴がいねえんだから欲求不満なんだよ、俺は!」
「それもそうか、確かに残ってるメンツじゃ、お前と相性の悪い奴ばっかだわな……」

 たしかに戦闘狂にはつらいだろうと多少なりともヴィルヘルムの現状に同情し、苦笑を漏らす義之。
 たとえ、いま残っている面子が彼と戦ったとしても彼の劣勢は免れなかった。その一端でもある義之には苦笑するしかできない。

「そうそう、せめてツァラトゥストラとか、ヴァルキュリアとはいてくれたら俺も楽しんだがな……」
「ないものねだりしてもしかたないだろ。ヴィルヘルム」
「――ハア。そういや、代行」

 ため息を吐き出し、不意に空席の五番目を挟んで隣のさくらへと視線を映す。

「うにゃ?」
「俺達はどこまで出来るんです?」
「う〜ん」

 ヴィルヘルムに聞かれて、思い出したようで考えていなかったさくらは腕を組んでう〜んと唸りながらどうしようかと考える。
 やがて――

「状況次第、かな。義之君は基本、形成まではいいよ。ヴィルくんは活動で我慢して」
「なんですか!」
「君の形成は度肝抜くからだよ。それに能力もえげつないし」
「――」

 自覚はあるのか、さっきまでの威勢はどこへやらしぼんで黙ってしまうヴィルヘルム。

「二人には明日には発ってもらうからね。副
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