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第十八話 五人、同部屋
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せずに地球に来てしまった誠也のミスと言える。
誠也がどうしようと本気で悩み始めた時、
「じゃあ、私の家に来る?」
そう提案してくれたのがりんかであった。


その後、最終的に全員で月村家でお泊まりするということでまとまり、現在に至っている。
「じゃあ、部屋分けどうする?」
和也がそう切り出す。月村家に来てからもう何時間か経つが、まだ部屋分けを決めていなかったのだ。
「え?五人で一緒に寝るんじゃないの?」
りんかは何を言っているんだろう?という表情で和也に問いかける。
「そうよ。みんなで泊まりに来てるんだから一緒に寝ればいいじゃない。」
エリもりんかに賛同する。
「あのなぁ……。」
男女七歳にして席を同じうせず。
この言葉にあるように、男女はある程度の年齢になればその性に区別をつけなければならない。
それを十五歳にもなって同じ部屋で寝るなど、別の意図があるようにしか思えない。
「誠也も言ってやれ。」
同じ性別である誠也にも賛同を呼び掛ける。
「和也の言うとおり、部屋は男女で分けた方が……。」
誠也も和也と同意見であった。
しかし。
「誠也!あんたはお姉ちゃんと一緒に寝れないって言うの!?」
エリが身を乗り出し誠也に迫る。
誠也は突然そんなことを言われて戸惑ってしまう。
「で、でも……。」
「でもも、何もないわ。誠也は今日お姉ちゃんと一緒に寝るの。」
そう言って、誠也を自分の元へ引き寄せて抱きしめる。
エリは今日一日のやり取りで誠也を大変気に入ったらしい。
実の弟のような可愛がりっぷりだった。
「アリスちゃんは私と一緒に寝るよね?」
「う、うん……。」
アリスは戸惑いの表情を浮かべながら頷く。
りんかはいつも以上に笑顔であったが、それゆえにアリスは頷かざるを得なかった。
アリスはりんかに抱きしめられる。
「どうする、和也?」
「どうするの、和也君?」
どうするもなにも、ここまでされれば答えは一つしかない。

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