SAO編
episode3 乱戦、混戦、総力戦3
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の限界がもどかしくなり、筋力値を全開にして一気に跳躍する。先程のダッシュを遥かに上回る速度での、飛ぶような大ジャンプ。そのまま空中で体を引き絞って、本能のままにソードスキルを放つ。出の速い三連撃の技、《シャープネイル》。素早く振りぬかれた長剣が二本の蔦を弾き飛ばし、締め上げていたアスナがするりと落下する。空中で何とか受け止め、ポーチから回復結晶を取り出す。
「ヒール!!!」
叩き付けるようにアスナの胸に手を当て、叫ぶ。
一瞬既にHPゲージが消えて、回復することなくその体が爆散するイメージが頭によぎったが、直後に回復結晶が弾けてアスナのHPが端まで回復していく。だが、アスナの顔色は蒼白で、目は閉じたまま。
「アスナ、アスナッ!!!」
絶叫しながらの呼びかけに、アスナがかろうじて目を開ける。痛々しいほどの疲労と恐怖を称えたその瞳が、自分を見て儚く揺れる。続けざまに取りだした解毒結晶で麻痺も回復させるが、とても戦線に復帰できる状態とは思えない。
「アスナ、アス、っぐっ!!!」
アスナを抱きかかえる俺の背中が、強い衝撃で打たれた。剣戟の怯みから回復した蔦が、攻撃を再開したのだ。だめだ。ここにいては、また攻撃を喰らってしまう。アスナの体を抱えて走ろうとするが、一瞬の判断の後、その考えを切り捨てる。
だめだ。
人一人抱えた状態で走るのでは、防御も回避もままならない。
ここで俺が倒れてしまえば、またアスナが。
逃げることは、出来ない。
守ることも、俺なんかには、出来はしない。
ならば。
俺に出来ることは、一つ。
「くらえッ!!!」
アスナを背後に庇って、ボスと正対する。間を置かずに襲いかかろうとしたボスの顔面を、エフェクトフラッシュを纏った一つの影が横から飛び込んで強烈に踏み抜くように蹴りつけた。周囲の鉢たちを殲滅したシドが、その超人的な身のこなしで弾丸の如く花の顔を打つ。そしてそのまま大きく膝を曲げ、バク宙の要領で背後へと大きく飛び退る。
その攻撃がボスのHPを削られる。
打たれた恨みに、ボスの注意が俺から一瞬だけ逸れる。
二度とないだろう、一瞬の隙。
その隙に、俺に出来ること。
攻撃特化型たる俺に出来ることは、敵を倒す、それだけだ。
「おおおおッ!!!」
絶叫しながら剣を振りかぶる。
突進して巨大化の懐へと潜り込み、床を砕かんばかりに強烈に踏みしめる。同時に、強烈なエフェクトフラッシュが剣を包む。放つのは、俺が今現在持つ最も強力な技の一つ。特に、ボスモンスターのような巨大な体を持つ敵に対して有効な、三連の重攻撃。
《サベージ・フルクラム》。
突き技と切り技を組み合わせた大技が、ボスモ
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