ターン14 伝説!世界最強の片鱗!
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ろで、もう一つ聞きたいことがあるんだけど」
「おお、いいぞ。俺に答えられることならな」
「僕が倒れちゃってから、誰がここまで運んできてくれたの?まだお礼が言えてないから、改めて言っておこうと思って」
そう言うと、なぜかニヤリと笑ってみせる三沢。僕、なにかおかしなことでも言っただろうか。
「河風君だ………と言ったらどうする?」
「…………マジ?」
『マジだぜ』
「ああ、大マジだ。誰よりも早く駆け寄って、普段の様子からは考えられないくらい取り乱してたぞ」
「そ、そう………」
とりあえず、赤くなった顔を見せないように明後日の方を向く。まあ、十中八九ばれてるだろう。三沢のにやにやした顔が何よりの証拠だ。
「そ、それで?今、夢想はどこにいるの?」
「彼女は今『お見舞いの品持ってくる』って言って5分くらい前に出て行ったぞ。ゆうべからつきっきりで君のそばにいたんだから、ちゃんとそこにもお礼を言っとけよ」
聞き捨てならない言葉について聞き返そうとしたちょうどその時、狙ってたんじゃないかと聞きたくなるくらいのタイミングで扉が開く音がした。
「ただいま、だってさ。三沢、清明の調子はどう?」
「えっと、その………おはよう」
「っ!!起きたの!?よかったぁ、って言ってるよ……」
「さて、それじゃ俺はもう帰るかな、っと」
そう言ってそっと立ち上がる三沢は、そのまま本当に部屋を出て行っちゃった。おいこらユーノ、なんでお前まで一緒に退出してんだ。二人っきりは……その、嫌じゃないし、むしろ嬉しいんだけど、やっぱり照れくさいというかなんというか。
「ええと、ゆうべはなんでもここまで引っ張ってってくれたみたいで、あ、ありがとう」
「そんなこと気にしないで、だってさ。それより、もう体は平気なの?だって」
「うん、そりゃまあね。別に病気だとか怪我だとかいうわけじゃなし、もうどってことないよ」
「そう……本当によかった、だってさ」
そこで、会話が止まる。でも、別に気まずくはない。それどころか、ずっとこうしていたいような気もする。そんなことを考えていると、左手に何かが触れた。ちょっと視線を落とすと、手が握られている。慌てて夢想の顔を見ると、彼女は照れくさそうに微笑んで見せた。
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