ターン14 伝説!世界最強の片鱗!
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「うわあああああっ!!…………また、かぁ」
『また、だな。うるさくて寝れやしねーぜ』
「……ゴメン」
ふと枕元の時計を見ると、まだ夜真っ盛りの午前2時。やれやれ、もういいかげんになんとかなんないのかな。
『なあ清明、今日もいつもの夢か?』
「まーね。僕はもう立ち直ってるつもりなんだけど」
ここんところ一週間ぐらい、同じ夢ばかり見る。山の中でドローの練習してた人に会った日も、ゴブリン使いの二人組と十代がデュエルした日も、なんかテニス部の人と十代がデュエルするのを観戦してた日も。そしてその夢の中で、僕はデュエルしている。でも、どんなに手を尽くしてもすぐにモンスターが消え、セットカードが割られ、手札が捨てられて。最終的にはサイコ・ショッカーの攻撃を食らってライフがゼロになるところでいつも目が覚める。そしてその夢の中で、なによりも深刻な問題が。
「もう無理、むこう十年くらいサイコ・ショッカーは見たくない………やだよあのいろんな意味で濃い顔と二人っきりで毎日会うとか」
『トラウマなのそこかよ!…………お前、つくづくズレてるよな。せっかくシリアスになりかけたところをギャグで落としに来るか』
「んなこと言われても僕は負けるなんてもう慣れっこだし、確かに悔しいとは思うけど怖いなんて考えたことないからさあ」
そう、僕は昔っからデュエルが弱かった。近所の子と遊ぶ時も決まってビリだった。そのたんびに泣きそうになるのをぐっとこらえて、再戦を申し込んで。たま〜に誰かから一勝でももぎ取れると、毎回すごく嬉しかったっけ。懐かしいな、あの頃が。あえて戻りたいとは思わなかったけど。まあ今思えば、そんなに負けがかさんだのもタクティクス以前のデッキ構築の問題だったんだけど。上級下級モンスターのバランスとか、ピンポイント過ぎるメタカードとか。
『僕は、か。別に俺だって、強いデュエリストだったわけじゃないんだぜ?むしろ勝ち星の方が少ないし』
「嘘」
『マジ。ま、そんなことはいいさ。自分から話振っといてなんだけど、生前のことはあんま思い出したくねーし。それより、あれ確か今日じゃないのか?お前も楽しみにしてたろ』
「あ、そうだった!しょうがない、もっかい寝なおすのは無理だしこのまま購買の前に陣取って整理券だけ貰っとくとしよう」
『警備員さん真夜中のガッコで床に寝転んでる見るからに怪しい男はコイツです』
「…………やっぱ部屋にいます」
『今はああ言ってるけど、あの目には見覚えがあるな。ありゃ…………負けることを本気で怖がってる奴の目だ。手遅れになる前にどっかで矯正してやらねーとな』
まあ結局あの後一睡もできずに、気が付けば朝までデッキに入れたいけど枚数的に無理
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