SAO編
episode3 薔薇の王との戦い
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液だっ!!!」
「前衛、距離をとってっ!!! 回避しながらパターンが変わるのを待ちます!!!」
そして俺が雇われた理由その三。この毒液攻撃だ。
ボスがその体を捩じる様に回転しはじめる。直後、薔薇の下にあるカリカチュアライズされた顔から勢いよく吐き散らすこの毒液は、ステータス異常系の攻撃の中でも最高峰のもののようで、「HP減少毒」、「麻痺毒」、「金属腐食毒」などの同時に複数のステータス異常をもたらしてくる。
今回はきちんと対策が練られており、ボス部屋入口で配られた耐毒ポーションのおかげでHPを減少させたり麻痺したりする者はいない。
ただ、厄介なのは「金属腐食毒」だ。
今回、ヒースクリフを始め大手ギルドのメンバーで参加していない者がいるのは、この「金属腐食毒」を嫌ったせいだ。当たり所によって一発で防具の耐久度をごっそり持っていくその特殊攻撃は、高価な金属鎧装備の連中にはブチ切れたくなる効果だろう。
まあ気分的なものだけでなく、ボス戦に耐えうるような頑丈な金属鎧は、製作するのもドロップを狙うのも非常に大変だ。この階で強力な壁戦士が軒並み防具を喪失してしまっては、この先のボス攻略に多大な支障を来すことになる。
だから今回の選抜部隊は革製装備の攻撃特化型中心で、ボスの防御力の弱さをついての短期決戦を目標に組まれている。前線メンバーもそれを理解しており、今回全員が飲んだ耐毒ポーションの効果、一五分の間にケリをつけようと大技を連発する。
ただし、革製装備中心とはいっても武器や盾は大半が金属製だ。鎧ほどに死活問題とはならないが、それでも武器の耐久度を削る毒液のせいでの武器喪失は、攻撃の効率を著しく低下させる。そのため、この毒液攻撃の間は全員距離をとることに前もって計画してあった。
「!!!!!!」
「シド!」
「おう!」
再びのボスの声無き叫びが響いて、体を震わせる。Mob召喚の合図だ。キリトと俺が短く互いを呼び、足場の動作を確認してMobの連中の襲来に備える。キリトが素早く牽制と惹き付け用のピックを抜き出し、俺はポップ位置周辺を駆け回ってモンスターのタゲを集める。
吐き出された大蜂は、最大数の八体。今回は俺の方に五匹が飛んでくる。
「まじ、か、よっと!!!」
タイミングを見計らって放つ、《トリプル・ブロウ》。自分でもガッツポーズしたくなるくらいのドンピシャの瞬間に放たれた三連の拳が、飛来する五つの影のうち三つを爆散させた。
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