第十七話「決意を胸に」
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ように目を凝らして見ていたのにまったく見えなかった! 木場の駒は『騎士』であり、その特性はスピード。急いで防御を――!
「痛っ……」
後頭部に衝撃が走る。いつの間にか後方に回り込んでいた木場が木刀で頭部を殴打していた。だけど耐えられない痛みじゃない!
裏拳気味に拳を繰り出す。木場は少し驚いた顔をすると瞬時に後方に跳び退き、間合いを取った。
今度はこっちから攻める。ダッシュで一気に距離を詰めて拳を振り上げた。
速い! 俺ってこんなに速かったっけ!?
自分のスピードに半ば驚きながら拳を繰り出す。木場は木刀を楯にすることで防御した。
――ドカッ!
ええ!? なんでそんなに吹き飛ぶの!? 確かに全力で殴ったけど、小猫ちゃんと同等のパンチ力じゃん!
よく分からないけど、ここは一気に攻めるぜ! 再びダッシュで間合いを詰め前蹴りを繰り出す。
ヒュ。
くそ、また躱された! やっぱ、スピードじゃ太刀打ち出来ないか!
「イッセー、魔力弾を射ってみなさい! 魔力の塊を放つとき、自分が一番イメージしやすい形で撃つのがコツよ!」
部長からの指示が飛んできた。
ま、魔力弾ですか。放ったところで当たるとは思えないけど、とりあえずやってみるぜ。
魔力を掌に集めるイメージを浮かべると、小さな米粒ほどの塊が出来上がった。相変わらず小さいな!
それを木場に向かって放つ。俺の手から放たれた魔力の塊は……って、
――グォオオオオン!
な、なんじゃこりゃあああ! 放った瞬間大きくなったぞ! そうか、ブーステッド・ギアの効果か!
米粒サイズから巨岩サイズに成長を遂げた魔力ちゃんは一直線に木場の元へ向かった。
スピードもかなりのものだが、木場は簡単に避けてしまう。あーあ、やっぱり避けられたか。そりゃ、当たらなきゃ意味がな――、
ドッゴォォォォォォォォン!!
……は?
『Reset』
目標を失い明後日の方向へと飛んでいった魔力弾は爆音を響かせてお山を吹っ飛ばしたぁぁぁぁぁ!?
あまりに予想外な事態にフリーズしていると籠手から音声が流れ、それまで増幅していた力が元に戻る。
――今、お山が吹き飛んだよな……。え、うそ、だってお山だよ!? ホントに俺がやったのアレ!?
大きく削られたお山はもはや原型を留めていなかった。うっそぉ……。
「そこまで! うん、まずまずの結果ね。裕斗、手合せをしてみてどうだった?」
部長の問いに木場が答える。
「はい、正直驚かされましたね。最初
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