天使の心
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「ここからどっちだ?」
ここは天国三丁目。とてもにぎやかな商店街が中心にある町だ。
「おぉ、旅行客かい?」
「えぇ」
果物を売っているおじさんが、俺に声をかけてきた
「天界の塔や、定めの丘、聖水の噴水、神の庭園・・・・・見たり行ったりして楽しいところはたくさんあるよ?」
「いえ、俺は天国郵便局っていうところに行きたいんですが・・・・」
「おや、君は変わり者だねぇ・・・・」
「まぁ、天国の門から一番近かったんで」
「そうだな・・・・・そこの交差点を左に曲がれば、後はまっすぐ行くだけで郵便局にはつく。郵便局には、この天国に住む人だけじゃない、地獄に住む人、そして人間界に住む人の思いが集まる場所だ。まぁ、楽しいわけじゃないがな」
「あ、ありがとうございます」
俺は、おじさんにお礼をいい、そして言われたとおりに進んでみた。すると、いわれたとおりに、郵便局があった。郵便局は、俺たちの郵便局とほとんど変わらなかった。
中に入ってみると、受付の人の奥で、忙しそうに手紙を仕分けている人がいた
「いらっしゃいませ。今日はどんなご用事で?」
「いえ、ちょっと見学に・・・・」
「あぁ、旅にご当選された方ですか、ご当選おめでとうございます。さぁ、どうぞ見ていってください」
中に入ると、さっきからずっと忙しそうに仕分けている人が、やっぱり忙しそうに仕分けていた
「ん?あぁ、見学者かい?ようこそ、天国郵便局本社へ!僕はここの局長。ここは、天国、地獄、人間界からの思いが集まる場所さ」
仕分けていた人は、局長であることがわかり、俺に丁寧に説明してくれた
「そういえば、君、名前は?」
「はい、ん?え、えぇっと・・・・」
おかしい、忘れているはずじゃないのに、どうして思い出せないんだろう・・・・
「やっぱり、ここに旅行に来た人は、みんな名前を覚えていないんだ。じゃあ、ちょっと手を貸して?」
俺は右手を差し出した。局長は、俺の手をぎゅっと握ると、局長は「なるほど」とつぶやいた
「そういえば、君に関係する手紙があったんだ。まぁ、神様宛なんだけどね」
そういって、局長は俺に手紙を渡した。その手紙の内容は、こんなものだった
「お願いします。神様、事故で意識不明の息子を助けてください、神様」
一度見ただけで、母の願いだということがわかった
「これは・・・・・」
「人々の願いや、死者に対するつぶやきは、すべて手紙になって、ここにやってくる。それを使者に渡したりするのが、我々の役目。まぁ、返事を返すことはできないんだけどね」
「へぇ・・・・・」
「ここにはたくさんの思いが集まる。いいものばかりではなく、悪いものもたくさんある。でも、悪いものは渡さない。いいものだけを渡す。そうしたら、死者は安心するんだ。それが、我々の役目。死者の安心する顔が見たく
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