第一幕その一
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第一幕その一
第一幕 出会い
革命前のパリ。その入り口の一つパリ門に近い大通りにある酒場。店の前を兵士や学生、美女達が行き交い華やかな様子だ。その店の中は賑わっていた。
ロココ超の名残のような歪でありながら華やかな装飾で飾られカーテンも店内も実に綺麗であった。その店の中で人々はカードに興じ酒を楽しんでいた。
「さあさあ」
金髪の若い男が木の丸く大きなテーブルを前にして言っていた。
「どうする?もう一勝負するかい?」
「ちぇっ、またエドモンドの勝ちか」
「どうなってるんだよ、今日は」
一緒にテーブルを囲む仲間達が不平を述べる。
「運命の女神が僕に味方してくれているんだよ」
彼は笑ってこう返す。
「さて、このお金で」
「あれかい?飲むのかい?」
仲間のうちの一人が言ってきた。
「どうするんだい?」
「いや、飲むのはここで充分」
彼は笑って述べた。
「それよりも今日は」
「あれかい、女の子か」
「そうさ。パリだよ」
彼はにこにこと笑って応える。この場合の女の子とは娼婦のことである。パリは娼婦も多い街だ。彼もまたその娼婦達をこの上なく愛していたのである。
「遊ばないと」
「昨日も遊んだじゃないか」
「そのうちえらいことになるぞ」
「それも本望」
梅毒を心配されたが彼はそれを笑って返す。梅毒はこの時かなり広まっていてそれにより命を落とす者も多かったが彼はそれを気にしなかったのである。
「そうじゃなきゃ遊べないじゃないか」
「強気だね、また」
「強気じゃないよ」
彼はその言葉に返す。
「覚悟ってやつさ」
「伊達男のかい」
「遊んで遊んで」
エドモンドは少し真面目な顔になって述べる。
「最後は酒か女で死ぬ。それがパリジャンだろう?」
「確かに」
「人は快楽のうちに死ねってね。誰の言葉だったかな」
名も残っていない詩人の言葉であろうか。彼等のうちの誰かがその言葉を述べた。
「さあ、誰かギターを鳴らしてくれ」
エドモンドは言う。
「バラードがいいな」
「バラードかい?」
「うん、ゆっくりとしたね。いや」
彼は言い掛けたところで考えを変えてきた。それで言い直す。
「それよりも陽気な曲がいいや」
「わかった」
それを受けて店の中の一人がギターを取る。そして曲を奏ではじめる。
「青春は僕等の名前、希望は僕等の女神」
彼はその曲に乗って歌いだす。
「何者にも負けない美徳が引っ張ってくれている。神聖な陶酔が」
「笑おう、愛と青春に溢れる若者達を、今君達の心を僕に与えてくれ」
仲間達もその歌を歌う。コーラスになっていた。エドモンド達は歌と酒に酔っていた。それを聴いてか娘達が店の中にやって来た。そしてエドモ
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