十五話〜何この子可愛い〜
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治すの超面倒臭い。
っていうか俺の体のことだから実際にありそうで怖い。
例えば、想像してみよう。
今回の随分と上から目線の話し方でリニスが俺に殺意を抱いたとする。
そして、いつも通り腕が鈍らないように模擬戦をする。
攻撃が当たっても大丈夫だという無意識な先入観は戦いにおいて、致命傷になりかねないため、俺は切れ味抜群のナイフ。そしてリニスはメリケンサックの殴る部分に刃を付けた武器を装備しての模擬戦である。非殺傷設定は使わない。
まあ、こんな人前では見せられないような模擬戦をルナに頼んで家に結界を張ってもらってやっているため、模擬戦直後は床が血でビチョビチョだ。
血を見るのはアリシアは苦手なのか、その時は絶対に俺の中からは出てこない。
まあ、そんなどうでもいい情報は置いといて、一応こんな模擬戦でも殺さない配慮として回復役(俺)は常備しているから問題無い。
だが、さすがにこんなことになってしまえば心も体も傷ついてしまう。
ある日のこと。俺とリニスはいつものようにルナに結界を展開してもらい、模擬戦をするための準備運動をしていたとする。
その日は何故かリニスの目には生き生きとして何かの覇気が宿っており、準備運動をする足も軽そうだ。
「それでは模擬戦を始めましょう! 私は既に準備万端ですよ!」
「お、おう。今日は随分と張り切ってるね。目が輝いてるじゃないか」
「え? そうでしょうか。それよりマスターも準備が出来ているようなので始めますよ!」
「お、おう……(なんだろう。何か嫌な予感がするな)」
何合か打ち合うと、俺はリニスの攻撃を読み違え、体勢を崩す。
その瞬間、リニスの目の奥が妖しく光った気がした。と思ったら右手を十分に後ろに引き……
「っせい!!!!」
俺の腕を殴り飛ばした。
俺の体と腕は繋がっておらず、文字通り殴り飛ばしたのである。
「ぎゃあああああぁぁぁぁ!? 俺の腕が!? 俺の腕があ!!?」
「……ふん。私を見下すからです。そこでしばらくのたうち回っているといいんです」
そしてその痛みに苦しむ俺を、酷く冷め切った目で一瞥するとリニスは結界から去っていった。
「……さて、もういっちょ風呂に入るか」
軽く想像してしまったじゃねえか。
「まあ、腕を切り飛ばされたくらいならくっつければいいだけなんだけどね」
寝た時にその夢も見て、一度飛び起きてしまったことをここに記しておく。
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