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妨害
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たないスプリガンとじゃじゃ馬と呼ばれる弓を持つケットシーの貴様らの言葉を、にわかに信じるわけにはいかないな。バルダ」

「あいよ、ジンさん」

 サラマンダー二人は片方は背中に、もう片方は腰に手を回すと剣を抜いた。

「俺(僕)の攻撃を三十秒耐え切ったら、貴様ら(君達)を大使と信じてやろう(もいいよ)」

「ずいぶんと気前がいいね」

「ああ、わかりやすくて実に俺好みだ」

 二人も自身の武器を構える。

三十秒……それが、この会談の運命を動かす時間となった。二人の強さからすると問題ない時間だがあの二人のサラマンダーが放つ殺気は尋常ではなかった。

 緊迫した空気の中、リーファの耳元でサクヤが低く囁く。

「まずいな……」

「え……?」

「あのサラマンダーの両手剣、レジェンダリーウェポンの紹介サイトで見たことある。魔剣グラム……ということはあの男がユージーン将軍だろう。それともう一人の少年の風貌をしたプレイヤー、それとあの軽装備、ユージーン将軍とともに行動しているから間違いなく遠距離(ロングアーチ)(キラー)しの、神速のバルダだ。知ってるか?」

「一応、名前だけなら……」

 息を呑むリーファに向かって軽く頷いたサクヤは言葉を続ける。

「サラマンダー領主、モーティマーの弟……リアルでも兄弟らしいがな。知の兄に対して武の弟、純粋な戦闘力ではユージーンのほうが上だと言われている。それと、もう一人、バルダは攻撃はそこまでないらしいが一撃一撃の速さと正確さはピカイチであのユージーン将軍と引き分けたほどの男だ。しかも、その速さを活かし、遠距離武器の相手やメイジに攻撃を食らわず接近し、確実に仕留めるから遠距離殺しと呼ばれている。つまり、この二人は……」

「全プレイヤー中、一位か二位を争う最強のプレイヤーたち……」

「……ってことになるかな……。まったく、とんでもないものを寄越してくれたな、サラマンダーは……」

「……ゲツガ君……キリト君……」

 リーファは祈るように手を合わせて彼らを見た。


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