妨害
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俺と一緒にちょっと遠くまで行こうか」
バルダと呼ばれる少年が森の方に飛んでいく。
「じゃあ、キリト。こっちは俺に任せとけ。相手も俺が望みだったらしいし……絶対に負けるなよ?」
「あたりまえだ、お前こそ逃げ帰って来るんじないぞ」
互いにそう言うとゲツガとキリトはにやりと笑ってから、それぞれの相手の方に向かっていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
キリト君が大きな声で介入した後、私は急いでサクヤのところに行った。
「サクヤ」
声をかけたシルフの女性は呆然とした表情で振り向き、さらに目を丸くする。
「リーファ!?どうしてここに!?い、いや、そもそもこれは一体!?」
サクヤでも取り乱すことがあるんだなー、と思いながら今の状況を急いで知らせる。
「簡単には説明できないから後でゆっくり説明する。一つだけ言えるのは、あたしたちの運命はあの二人次第、ってことだわ」
「……何がなんやら……」
そう言って再び、黒衣の剣士と白衣の弓兵の人影に眼をやる。二人ともあんな大人数を前にしても一向に怯んでいなかった。そして、何かを互いに話した後、再びキリトが叫んだ。
「指揮官に話がある」
キリトの大きな叫び声が響き、それに圧倒されたのかサラマンダーのランス隊が割れて二人の男がその間を通って降りてきた。それとともに、ゲツガとキリトも飛翔する。
「スプリガンがこんなところで何をしている。どちらにせよ殺すがな」
「まあまあ、ジンさん。落ち着いてこいつらの話を聞いてみようよ」
圧倒的な威圧感を放つ二人に臆することなくキリトは大声で言った。
「俺の名はキリト。スプリガン=ウンディーネ同盟の大使だ。こいつは俺が傭兵として雇ったケットシーのゲツガ。この場を襲うからには、我々四種族との全面戦争を望むと解釈していいんだな?」
その言葉に思わず絶句する。ものすごいハッタリをかますにもほどがある。横のシルフの領主、サクヤとケットシーの領主、アリーシャ・ルーには手を振って何も知らないとアピールする。
「ウンディーネとスプリガンが同盟だと……?」
「聞いたこともないけど、ホントなの?」
ホラ、早速疑われてる。さすがに無理だよ
と思って二人の背中を見やると、二人は堂々と首を縦に振った。
「護衛が弓兵一人しかいない貴様が大使というのか?」
「ああ、そうだ。この場にはシルフ、ケットシーとの貿易交渉に来ただけだからな。だが会談が襲われたとなればそれだけじゃ済まないぞ。四種族で同盟を結んでサラマンダーに対抗することになるだろう」
その言葉によって、さっきまでうるさかった蝶の谷が沈黙に包まれた。やがて
「たった二人、たいした装備を持
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