第一幕その六
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では私はこれでな」
「帰られるのですね」
「あまり領事館を空けておくこともできない」
彼も忙しい身なのだ。
「だからな。これで」
「わかりました。それでは今日は有り難うございました」
「うん。しかし」
くどいと思われようともと考えた。そのうえでまた彼に告げる。
「くれぐれも。自重するようにな」
「やれやれ、またそれですか」
「それでもだ」
苦笑いを浮かべるピンカートンにまた言う。
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