SAO編
episode3 『攻略組』の実力
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そこで俺は、βテストを除けば初めてとなる、『攻略組』の戦闘を見ることとなった。
感想は簡単。
「凄まじい」の一言に尽きた。
「イヤアアアアッ!!!」
気合いの声を上げての攻撃は、戦闘で戦う『狂戦士』のものだ。凄まじいスピードで繰り出される連続突きが、巨大な植物型モンスターの、花の下部分の弱点をまるでミシン針のように正確に貫いていく。大きく腕を引き絞っての最後の突き技のあと、
「スイッチ!」
叫んでバックステップし、モンスターから距離をとる。先の一撃で喰らった攻撃で仰け反りを課せられたモンスターがそれを追おうと動き出すが、硬直解除前に飛び込んだ斧使いの男の一撃に進路を遮られる。
「おおおっ!!!」
エフェクトフラッシュを纏った、横薙ぎの大ぶりな一撃。先程までのアスナの攻撃とは大きく異なる戦い方をすることで、モンスターのAIに負荷をかけて行動を抑えるという、完璧なスイッチだ。ここまで、一発も攻撃を喰らっていない。
「トドメっ!!!」
再度のスイッチで飛び込んだアスナの一撃は、《ニュートロン》。片手剣の派生、『細剣』スキルの高位技で、現在確認されるソードスキルで最速の発動速度をもつと言われている技だ。一瞬の隙も与えない一撃がモンスターのHPバーを吹き飛ばし、爆散するポリゴン片へと変える。
「大丈夫ですか?」
そしてさらに驚くべきことに、ここにいる全員が同じようにまるでモンスターから攻撃を受けることなく敵を倒している。いくらレベル差があるとはいえ、なかなか出来ることではないのではないか?
(さすがは、『攻略組』、ね……)
完全に計算され尽くした、連係動作。一撃でモンスターを怯ませるだけの威力を持つ、強力な武器。全く無駄のない、フルブーストされたソードスキル。そして何より、この狭い通路でモンスターに囲まれても、全く動じない精神力。なるほどこりゃ強い訳だ。
「OK。もう近くにモンスター反応はない」
「ありがとうございます。では、進みましょう。ボス部屋までもう少しです」
俺は今回の戦闘には参加していない。連携が出来ないのもあるし、ヒットアンドアウェイの戦闘スタイルの俺はこんな狭い場所ではとことん戦いにくい。『索敵』で後続のモンスターのポップを警戒していたが、正直いらなかったかな、とも思う。
アスナが再度の行軍を呼びかけ、部隊がまた歩き始める。
それにしても。
(みんな表情が硬いねえ……)
『狂戦士』といわれるアスナ程ではないにせよ、皆多少なり表情に緊張と切迫感が見られる。正直、あまりいい兆候ではないように思うのだが、どうだろう。一説では適度な緊張感は人の能力を高めるらしいので、全く
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