第6巻
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会談当日に完全なる世界の一派に誘拐されることは知っていたが、下手に手を出し原作が変わり計画に支障がしょうじないようあえてほっといた。なのに、まさか自分が救出することになるとは思いもしなかった。それもそうだろう。何人もいる娘の皇女一人を救出させる為に傭兵とはいえ帝国最強のマダラに命をくだすなど任を受けた本人も含め誰も思いもしなかったのだから。
そりゃあまあ、テオドラに他の皇女と皇子たち以上に政治の才が有るのは認める。だが最強の兵であるマダラを戦時中だというのに向かわせるとかどんだけ親馬鹿なんだヘラス皇帝。
計画発動まで帝国に身を寄せておきたい為、しぶしぶ了承したのは良いが正直めんどくさい任務だ。潜入と救出の為、方舟は使えない。なのでこうして目的地まで走り続けている。
テオドラを拐った者たちは完全なる世界の者たち、彼等が見張りなら大幹部に方舟を使った場合、方舟の情報が漏れる可能性がある。方舟は若しもの場合に切り札として使いたいので情報を今、アーウェルンクたちに渡す訳にはいかない。だから方舟は使えない。ゲートを出せば、其処らいったいを光が照らすため嫌でも目立つ。
エンペラークロウ等のグルメ動物たちは巨体が救出任務には目立ち過ぎるため乗って移動できない。
「……ようやく着いたか」
ヘラス帝国本国にて皇帝から直々に命を受けてから走り続け、ようやく目的地であるテオドラ姫が幽閉されている夜の迷宮に到着。疲れてはいないが地味にキツい何かがある。
「…………?」
着いた途端に迷宮内から爆音。どおやら先着が迷宮内で暴れ回っているようだ。
見えた爆発には雷が視認できた。つまり先着者たちはテオドラ姫とアリカ姫が誘拐されると同時に賞金首に成り下がった紅き翼の面目たち。見えた雷はリーダーであるナギ・スプリングフィールドが得意とする雷属性の魔法。
気配を探ってみればジャック・ラカンも一緒になって暴れ回っているのがわかる。姫救出のため見張りを倒す必用があるのは分かるが、難航なダンジョンで老朽化した遺跡でもある迷宮内で魔法と気をばんばん放ち暴れ回るとは、やはりバカだ。まあ、迷宮が崩壊しようとも最後にはギャグ補正的な何かに守られピンピンした状態で無事に生き残るんだろうが。震動が伝わり先に二人の姫が幽閉されている部屋が崩れてしまうかもしれないと考えないんだろうか。いやバカだから考えていないな。
ムッツリ眼鏡の剣士兼鍋将軍と変態ロリコンの古本を上手くコントロールし、先を進んでいるに違いない。地味に匠なゼクトもいることだし。
「ふむ……どうする、か」
今の今まで、あえて紅き翼の前には顔を出さずに避け続けてきた。夜の迷宮に来た理由はテオドラ救出の任を果すため、今回は
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