暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
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朝の白い光の中、レンは肩を揺さぶられたことによる振動ででゆっくりと目を覚ました。
そして目蓋を開ける途中で、寝ぼけた思考の中、ハテ?と思う。よく来るキリトが、広すぎんだろ!と連呼され続けているこの城の内部には、自分と五人のメイドNPCがいるのみだ。
しかもそのメイドNPCの基本行動は決まっており、一人は紅茶などのお茶請け係、二人目は料理全般、三人目と四人目は城内の掃除、五人目は特に伸びもしない庭整備。
そのどれの基本行動にも、《起こす》などと言う二次元的なアレは入っていない。
ナンデスカこの素敵イベントは〜ッ!と目をバッチシ開けると───
目の前に色の違う大きな眼が二つ。
「へ?」
口から洩れ出る間抜けな声。なぜかフルバーストしていた頭のギアが、ぶすんという不吉な音を伴って停止する。
目の前に二つの眼。向かって右側の眼が銀、そして向かって左側が眩しいほどの金色だった。
それが覗き込んでいるのだ、まじまじと。ぶっちゃけ驚きよりも、恐怖のほうが湧き上がってくる。
「の……のぅわあああぁああぁぁぁぁァァァァァー!!!」
体が半自動的に緊急回避を試みる。
だが、寝起きで回転不良な頭脳と足に絡まった毛布のせいで、レンは盛大にベッドから転げ落ちてしまった。
だが、それは相手も同じだったかもしれない。
なにせ起こしていたら、急に奇声を上げて勝手にベッドから転げ落ちたのだから。これではただの変人にしか見えないではないか。
身体に纏わり付いている毛布の地獄から開放されたレンが見たのは───
きょとんとこちらを見る、あの白い少女だった。
引っぺがした毛布が、今頃になって落下してくる。その中、少女は何が可笑しかったのか、くすりと笑った。
それはとても、いやかなり幻想的な光景だった。
思わず見入ってしまうレン。
だがその間も少女は笑い続け、微笑がやがて笑いに、笑いがやがて爆笑へと変わっていった。
朝の空気の中、少女の小気味良い笑い声が心地いいBGMとなって耳に入ってくる。
気が付けば、レンも笑っていた。不思議と自然に笑えた。
あの狂気の日以来、レンは初めて心の底から笑った。
朝の空気の中、二人の笑い声だけが充満した。
「へえ〜、マイちゃんってゆーんだぁ」
「うん、そーなんだよ。レン」
いつもの朝の景色。だが、向かい合うソファーに座る少女だけがそのいつもから外れていた。
あれから、二人してひとしきり笑った後、とりあえず少女を今に誘い、温かいココアをメイドNPCに注文してから、そういえばお互いの名前を知らないことに気付き自己紹介しあったのだ。
それによると、今目の前でカップに息を
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