第百四十八話 こけら落としの日
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族が集まったのじゃなくて?」
「はい、今回の参加者は4387家、各家とも当主を含めて3名参加となっておりますのが、伴侶が参加出来ない者、伴侶がいない者、子弟がいない者などがおりますので、総計12413名となっております」
「ふーん、帝国貴族の総数が4425家だから、不参加は38家だけなのね」
「はい、不参加者も病気などで参加したくても参加出来ない方々ばかりです」
「キュンメル男爵とかよね」
「よくご存じで」
テレーゼの指摘にケスラーは驚く。
「まあね。ケスラー、ここから見ると壮観よね。大貴族達を足下に見るなんて中々出来ない事よ」
テレーゼは、下に集まっている貴族達を見てニヤリとした笑う。
「感無量というわけですか?」
「違うわよ。この劇場にいるのは殆どの帝国貴族、しかも父上と私の臨御で武装は全くしていない。そして劇場の出口は1万5千名観覧可能にしては僅かに60箇所、其処を塞げられると脱出は不可能」
テレーゼの話を聞くケスラーが驚愕の表情をし始める。
「殿下」
ケスラーの顔を見ながら、テレーゼはニヤリとしながら坦々と話を続ける。
「60箇所の入り口から、装甲擲弾兵3万人が雪崩れ込んで来れば、殆どの帝国貴族は一網打尽よね。しかも式典を彩るべくオーディン上空にはメルカッツ提督率いるローエングラム大公領警備艦隊1万隻が、各貴族屋敷にレールガンの照準を付けて待機と」
「殿下お戯れが過ぎます」
「そうね。戯れと言えば戯れだけど、為政者は古来より邪魔な存在をおびき出して一網打尽にすることもよくしたことだし、それに何れ、後継者争いが起こるなら、誘き寄せての撲滅は有効よ。それによって無血とまで行かなくても流す血の量が桁外れに減少するなら。私は敢えて汚名を着る気は有るわよ」
テレーゼが真面目な顔で話し始めるので、ケスラーも固唾を呑んで聞くしかない。
「後世の歴史家はどう言うかしらね。『虐殺者テレーゼ』か『アウグスト二世の再来』かかしらね」
笑いはじめるテレーゼにケスラーは驚愕する。この方は全て判っていて自分に覚悟を決めさせているのだと。
「殿下、殿下ご自身がその様な事をせずとも、我等臣が行いましょう」
ケスラーの言葉を聞きながら、敢えてテレーゼは意見を言わずに別の話をし始める。
「ケスラー、ゴールデンバウム王朝は僅か500年足らず前に発足したわ。無銘の一市民であったルドルフ・フォン・ゴールデンバウムによってね。人類発祥以来ゴールデンバウム王朝が有ったわけではなく、単なる新興王朝にすぎない。ローマ帝国、チャイナの各帝国、地球統一政府、銀河連邦全て滅んだわ。
そして今現在ゴールデンバウム王朝は衰退してきている。自由惑星同盟との150年に渡る戦争によりその衰退具合は益々加速しているわ。それに
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