After days
fall
《荒野》の王
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「えっと、質問いいか?」
キリトが右の羽を挙げて唐突に切り出す。
「《聖獣王決定戦》っていうのは、同じ集落の《仲間》とも戦わなきゃならないのか?」
「もちろんそうなる。が、心配する事ではない。《聖獣王決定戦》の前提は集落ごとの《団体戦》だ。仲間とは敵の撃破数で争うことになる。故に競争は有れど、殺し合いになることは無い」
どうやらWBOは他のタイトルと違い、集団こそが個人証明になるそうだ。分かり易く言うと『やーやーやー、我こそは◯◯の□□なり!!』という昔の武士的な風潮があるということだ。
「必然的に、対決も様々な形式が採られる。『二匹一組』、『三匹一組』、『旗合戦』、そして花形競技とも言える『一騎打』。『旗合戦』は大将を1人決め、最大5匹で戦うものだ。大将を倒した時点で、戦闘は終了。聖獣王を目指すのならば、『旗合戦』に出場し、名声を得たいのならば『一騎打』に出場する、という訳だ」
「なるほど……」
情報収集のために大会に出るのはいいが、俺達がただ敵を倒しまくればいいかというと、そうでも無さそうだった。
「大会は今日の7時から。1時間前には出発するので、出るつもりならばそれまでに来てくれ」
「了解」
「分かった」
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午後6時。あれから俺とキリトはフィールドに出て様々な動きやスキルを試した。途中で休憩を挟みつつ、大方の動きは不自由無く出来るようになっただろう。
時間通りに戻ってくると、先程までは閑散としていた広場に十数匹の影があった。
「ん?トリスタン、こいつらか?期待の新人というのは」
一際巨大な影、アフリカゾウが長い鼻で俺達を指しながらトリスタンに訊ねる。
「うむ。新人にしては中々筋が良い。二対一とはいえ、この私を倒したのだからな」
「へぇー。おっと、自己紹介がまだだったな。俺は《カーク》。専門はTM(スリーマーセル)だ」
「宜しくお願いします」
握手はなどはない。というか出来ない。これは仕方のない事だった。
次いで、カンガルーやラクダ、ダチョウ、ハゲタカ、はたまたモグラという面子と互いに挨拶を終えると、ちょうどその時、広場の中央に青白い光の柱が吹き出た。
「こっから会場に転移出来るんだ。開いているのはたったの10分だから速く行こう」
俺達の世話役に任命されたモグラの《ボッシュ》は俺の頭に乗っかっている。
大型動物が小型動物を運んでやるの
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