第三幕その二
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子も」
「私からあの人にお話せよと仰るのですね」
鈴木はようやく彼等が何を言いたいのか察した。ようやくであった。
「私が」
「早くあの子を」
シャープレスは言葉を出せなくなってきていた。その心に押されて。しかしそれでも何とか言葉を出すのだった。己の責務であるから。
「三年の間本当に待っているなんて」
ピンカートンはまだ家を見ていた。悔恨は深くなるばかりだ。
「僕はもうここには」
「本当は。君を止めたい」
シャープレスは鬼ではない。だからこう彼に告げたのだった。
「耐えられないな」
「済まない、僕は」
「ここで君が平気な顔をしていたならば私は君を永遠に軽蔑していた」
言葉は厳しいものであったが口調は違っていた。彼の心を見ていたからだ。
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