第六話
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突如、風をまとった何かが男に突撃し、そのまま大きく突き飛ばした。
「まったく……それでも私のライバルですか……はたて?」
「文……」
文は呆気にとられてるはたてに頬笑みを返すと、葉団扇でパタパタと仰ぎながら男たちを軽く睨んだ。
「射命丸文……なぜ貴様がここに!」
「私は天狗ですよ?妖怪の山にいてもおかしくはないと思うんですがね」
「ちっ!ちょっと基地を落としただけで調子にのりやがって!」
「天狗だけに鼻が天狗になってるですか?面白いことを言いますね」
「このアマ!」
男は怒りが頂点に達したのか、もっていたライフルを文に向ける。それと同時に他の男たちも銃口を彼女に向けた。
だが、銃口を向けられたのにも関わらず、文は逃げようとするどころか、逆に不敵な笑みを浮かべていた。
「何を笑って……」
「いえいえ……その壊れた武器で何をしようと言うのですか?」
「壊れた?何をばかな……!?」
ライフルに視線を向けた男はなぜか絶句していた。
もっているものは確かにアサルトライフル。いつも使っているなじみのある銃だ。持つ場所も引き金も変わってはいない。だが、妙に長さが短く感じられた。
そう。銃口がなくなってしまったのである。
しかも、男だけではない。それ以外の兵士の銃口もきれいさっぱりなくなっていた。
「なにがおきて……」
「そんなに長いものを持っていたら、持ち運びに不便ですよね?」
「!?」
突如男の目の前に犬の耳のようなものを頭に付けた少女が現れる。その手にはなくなったはずの銃口が握られていた。
「ですので切り落としておきました」
「犬走……椛……」
「さて、どうなさるおつもりですか?」
椛はそう言って持っていた刀を男の首元に突き付ける。
男の表情はすっかり青ざめており、もはや勝ち目がないと判断したのか、
「撤退……撤退だ!」
と叫ぶと、逃げ腰のまま猛スピードで逃げて行った。
「ふう……はたて、大丈夫ですか?」
「文……椛……無事だったのね?まったく、どこに行ったのかと思って……いたっ」
無理やり立ち上がろうとするはたて。文と椛は彼女に肩を貸しながらゆっくりと立ちあがらせた。
「しかし、なぜ逃げなかったのですか?」
「それは……」
「わからないのですか椛」
はたてがこたえようとした瞬間、文はあきれ顔でそう言った。
「すいません……」
「まあいいでしょう……ここから約500mといったところですかね?守矢神社があります」
「あ……」
「そうね……だからここで逃げてしまったら、守
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