暁 〜小説投稿サイト〜
最期の祈り(Fate/Zero)
切れない糸(あるいは物件を選ぶ際の注意事項)
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戦闘を映像で見たから解る。あれは1対1では無類の強さを誇ると――最も正攻法で戦えばの話だが。
(どちらにしろ、シャルが敵にまわるのは厳しいな)
恐らく政府の誰かが、切嗣がシャルロットやラウラと組むのを懸念して、先にシャルロット・ラウラというペアを作ったのだろう。仮に切嗣がシャルロットやラウラと組んでしまえば、先程切嗣が考えたように戦闘の大方を相方に預けてしまうだろう。そこで先にその二人を埋めてしまったわけだ。厄介な事に、その乱れ打ちのような策がどんぴしゃしてしまった訳だ。
しかめっ面をしながら水を飲んでいると、少し不安げにシャルロットが口を開いた。
「切嗣は……」
「ん?何だい、シャル?」
「切嗣は誰と組むつもりなの?」
「ああ……そのことか」
確かに気になるところだろう。
「正直なところ未だ目星がついていないんだ。即戦力になりそうなセシリア・オルコットや凰鈴音は恐らく一夏と組みたがるだろうし、後はISに初めて触れて間もないのが殆どだ」
は〜、と長い溜め息をつくと気だるそうに残りのセリフを吐き出した。
「正直、一人で闘った方が気が楽で良いかも知れない」
「あ、あはは……でも独りじゃそもそも参加出来ないよ。明後日までに決めないとランダムで決められた人と組むことに……ちょっと待って。一夏が未だ空いているんじゃ……」
「いや、わざわざ一夏と組む理由が見当たらない。力量的な物差しで見てもシャルと渡り合うには実力不足も甚だしいし、何より百式はエネルギー消費が悪すぎる。勝手に自滅しそうな勢いがある分、第二世代機で戦ってくれた方がまだマシだ」
と、理にかなった建前を並べておく。実のところ一夏の突破力にはギャンブルながら希望が見える。だが、ある理由から切嗣は一夏とのペアを拒む。
「まぁ、仕方無いさ。今の所関係が良好な本音ちゃんと組むことにするよ。全く知らない相手と組むよりは格段に良いし」
この話はここまでと示すように、ミネナルウォーターを煽った。
「あ、あのね、切嗣」
しかし、未だ話し足りない事が有るとでも言うようにシャルロットが引き留める。
「ごめん、話はまた後で。ちょっと部屋の移動を今晩中にしてしまわないといけないんだ」
しかし、切嗣は多少強引に話を中断する。
「部屋の移動……ああっ!!」
言葉を反芻する途中で何かに気付いたように、シャルロットは頬を真っ赤に染め上げた。
「も、もしかして切嗣のルームメイトって……」
「多分想像している通りだと思うよ」
優しく微笑む切嗣。そんな切嗣を見て、ただでさえ既に真っ赤な肌を白熱させる。そんなシャルロットに気付いてか気付かないでか、切嗣は淡々と事を進めていく。
「さて、シャルロットの荷物は朝の内に運んでしまったから……」
「僕も手伝う!」
「うわっ」
途端、急にシャルロットの
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