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最期の祈り(Fate/Zero)
切れない糸(あるいは物件を選ぶ際の注意事項)
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独立。IS学園は事実上、独立していると言ってもよい。各国のナショナリズム的な問題を始め、利害絡みの全ての干渉をはね除ける事が出来る。だが、全く国からの影響が及ばないかと言われれば、実態はそうでないと言わざるを得ない。流石に露骨な要求は突っぱねる事が出来るが、小さな要望――例えば、学食に関する改善要求など――などは、提案など言い方をマイルドにして通っている事が多い。切嗣がイギリスに召喚されたのは例外中の例外と呼んで差し支えがない。名目上、学園の生徒の生命を第一の目的として各国暗黙の了解のもと行なった初めての強権的要求だった。最も、束のお陰で学園の存在意義を大きく揺るがすことは無かったが。
閑話休題
さて、今回のラウラとシャルの組み合わせの件だが、案の定ドイツとフランスからの要求がそもそもの発端だ。名目上はナポレオンによる神聖ローマ帝国解体、及びその後のビスマルク体制下のフランス孤立政策、ベルサイユ宮殿でのヴィルヘルム1世の戴冠に関して、以後どこか過去の負の遺産に対してどうしても感じてしまう痼を清算しようという国家間の思惑だ。上に挙げたナショナリズム的な問題の解決にたち、代表候補生にも二国間の友好を示すものとしてタッグを組んでトーナメントに参加して欲しいというものだった。これに関して、本来学園にナショナリズム的な問題を持ち込むのは御法度という意見が飛び交った。しかし、あくまで友好関係の発展を前提としたものであるという点が強調されたことにより反対意見は鎮圧されていった。それに何より、この要求を通したとしても当の二国に目立った利が一切無いので、ドイツ、フランスを敵に回してまでわざわざ反対する理由はなかった。結果、シャルル・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒの一年最強タッグが完成した。
ここまではいい。トーナメントのチームにダークホースが生まれただけだ。しかし、もし、この状況がドイツ、フランスに加えて日本によって仕組まれた状況だとしたらどうか?
少し、日本と学園の力関係について書いておこう。学園はその活動の、実に9割を日本の出資によって支えられている。つまり、学園の活動はどうしても日本の意向を多少は汲まないとならない。ここで要求を断ると、日本からの出資金にも影響が出、活動に支障をきたす。他国から支援を受けようにも、学園の活動を完全に賄える程の資金を持っているのは、日本を除けばアメリカとEUのみだ。だが、EUはあくまで共同体であって国では無い。出資しようにも、様々な構成国の意図が複雑に絡み、出すに出せない。アメリカは……借金地獄で火の海だ。ただ、資金にあてがあるか?と問われれば出せないことも無いだろう。ただ、出資した金が回収しきれないと踏んで、援助は常に最低限しか行なっていない。要するに、学園からの利益回収は諦め、独自の研究にその資金を費やしている。
最近は中国
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