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蝶々夫人
第二幕その六
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の間に」
 早速動きだした。一歩前に出る。
「ハナを採って来て一杯にしましょう。ちょうど夜空が星で一杯になるみたいに」
「あんな感じですね」
「そう、お花を」
 また鈴木に告げる。もう二人共動きだしていた。
「桜だけでなくすみれも桃もジャスミンも」
「他には?」
「どのお花もよ」
 また言ったのだった。
「草むらに咲く野花も草花も木に咲くお花も何でも」
「全部ですか」
「ええ、そう」
「けれど蝶々さん」
 鈴木はうきうきした気持ちの中にいながらも少し冷静に蝶々さんに対して言うのだった。

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