第13話 麻生探偵事務所にて
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時に存在出来ない世界が有る、と思った瞬間に、そう言う世界が出来上がったとしても不思議では有りませんから。
俺がそんな、いま考えたとしても意味のない事。それでも、俺的には非常に重要な事を考えていると、瑞希さんがまた爆弾を投げ込んで来る。
但し、俺としては、そう驚く事ではないのですが、
「そうしたらぁ、長門有希さんはぁ、御茶とコーヒー。どちらの方が良いですかぁ」
俺と瑞希さんの心温まる会話などまったく意に介さず、さっさと来客用のソファーに腰を下ろしていた有希は、抱き上げた黒猫の頭を撫でてみたり、ノドをさすってみたり、肉球をぷにぷにとしてみたりしていたのですが、その瑞希さんの一言に対しては、流石に少し緊張した雰囲気が走った。
もっとも、彼女が完全に猫扱いしているその見た目黒猫姿の存在は、実はネコの姿をしているけど本性は黒龍なのですが。
そして、有希が自らの隣に座る俺を、その瞳の中心に据えた。普段通りの透明な表情で。
……って、おいおい。確かに、俺に説明を求めるのは間違ってはいないのですが、せめて、貴女の声を聞かせて下さいよ。
それに右手の方では、相変わらず肉球をぷにぷにとして、ネコの爪の出し入れを行いながらでは、緊張感をまったく演出出来ないのですが……。
「あ、えっとな。今、有希が感じて居る疑問について説明するのは簡単なんやけど、こっちから先に質問しても良いか?」
俺の問いに、有希が少し考えた後、無言で首肯く。ただ、視線は俺の方を向いているのですが、しかし、その手は膝の上に抱いた黒猫の背中を撫でながら。
もっとも、その部分に関して今は問題ないでしょう。あまり細かく言っても無意味ですし、取り敢えず、彼女が質問する事について了承はしてくれましたしね。
「有希は、この世界に魔法が実在している事を知って居たか。オマエさんの造物主と、あの涼宮ハルヒと言う名前の少女を除いて」
俺は最初。彼女と出会った時から、少し気に成っていた質問を行った。尚、俺の予想では、この質問に対する彼女の答えは否定だと思って居ます。何故ならば、出会った最初の夜から今までの彼女の反応や対応から考えると、彼女は、俺の使用している仙術。大きな意味で魔法と言う技術を知らない可能性の方が高いと思っていますから。
そして、
しかし、俺の予想とは異なり、彼女は小さく首肯く。この答えは、彼女はこの世界に魔法が存在する事を知って居たと言う事。
ただ、そうだとすると俺が式神使いだと告げた時や、俺の仙術を披露した時に彼女が発した違和感の正体を、俺が取り違えていた事に成ると思うのですが。まして、彼女は、水晶宮と言う組織の事は知らない、と答えたはずですから……。
水晶宮や、式神使いなどの仙族系の魔法や組織を知らな
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