第13話 麻生探偵事務所にて
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らば、なのですが。
それに、ソノが居たのですから、ソノの契約者たる彼女が居ても不思議では有りませんでしたか。ただ、これで、益々話が進まなくなる事が確定なのですが。ここに連れて来られるのならば和美さんは無理でも、法子さんなら居ると思ったのに、出て来たのが瑞希さんでは話が前に進むのに時間が掛って仕方がない、と言う相手ですからね、彼女は。
俺が、頭を抱えたくなるような頭痛に襲われながらも、その幼い外見を持つ少女が口を開く前に、
「すみません、天野瑞希さん。え〜と、南原和也さんと連絡を取っては頂けないでしょうか」
……と告げた。
もっとも、神代万結と言う少女に連れられてやって来たのですから、今、ここにこの探偵事務所の所長の麻生良や、和也さんが居なくても、直ぐに戻って来るとは思うのですが。
元々、ここにやって来たのは、俺たちの方から自発的に訪問した訳ではなく招かれたから。ならば、末端の構成員などではなく、もう少し、頭に近い位置に居る人間が対応すると思いますから。
しかし、
「和也ちゃんからぁ、話は聞いていますぅ。万結ちゃんに連れられて、誰かぁ昔の知り合いがやって来るって事はぁ」
瑞希さんが、普通人ならば少しイラッと来る話し方でそう応対する。しかし、俺に取っては三年前からずっと変わらない口調ですから、最早、慣れている彼女独特の口調での応対なのですが。
それにしても……。
この世界にも俺が知って居る南原和也や、天野瑞希が存在するのですか。まして、黒龍のソノの存在も確認しています。
しかし、ここには俺の知らない神代万結と言う名前の少女が存在して居り、瑞希さんやソノは俺の事を知らない雰囲気。
矢張り、ここは平行世界。それも、俺が存在しない平行世界と言う事なのですか。
「えっとぉ、和也ちゃんにはぁ、既に連絡をして有りますからぁ、亮さんが来るまでは、座って待っていてくださぁい」
俺に来客用のソファーに腰を下ろす事を進めながら、そう言う瑞希さん。
但し、昔の知り合いと言われても、俺に取っては所長も、そして、和也さんも現在進行形での知り合いで有って、昔の知り合いなどではないのですが。
それとも、この世界の俺。異世界同位体の俺は、昔はこの世界に存在していたのですが、今は存在しなくなっていると言う事なのでしょうか。それならば、この事件に俺がわざわざ異世界から召喚された理由についても何となく納得出来るのですが。
異世界の世界観について詳しく知って居る訳ではないのですが、同じ世界に、同じ人物が同時に存在出来ない世界も存在していると思いますからね。
平行世界とは無限の可能性が有ります。つまり、俺が今、同じ世界に同じ人物が同
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