暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
白い少女
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に移動させた少女が昏々と眠り続けている。
そんなベッドの端っこにレンはちょこんと腰掛け、こんがり焼いたトーストをかじりつつ、【ローラン】で買ってきた何種類かの新聞を確認する作業に取りかかった。
新聞、と言っても紙を束ねた現実世界でのそれとは違い、雑誌程度のサイズの羊皮紙一枚でできている。
その表面はシステムウインドウ状のスクリーンになっており、ウェブサイトを操作する要領で収められた情報を切り替えて表示させることができる。
内容も、プレイヤーが運営しているゲーム攻略系サイトそのもので、ニュースから簡単なマニュアル、FAQ、アイテムリストなど多岐にわたる。
その中には探し物・訊ね人コーナーもあり、レンが目をつけたのはそこだった。この真っ白な少女を探している人がいるのではないか、と思ったのだ。
しかし――
「ない………」
数十分かけて全ての新聞を調べ終わり、レンはがっくりと肩を落とした。
あとはいよいよ少女が目を覚まし、話を聞けるまで待つしかない。
いつもならば、生来夜行性気味と言うことも手伝ってここからフィールドに出て、手当たりしだいMob狩りをしたり、あるいは思い切って迷宮区まで言ったりするのだが、今夜はさすがにそんな気分にはなれない。
寝るか、と思い、いつもの黒猫パジャマに着替えたレンは、今夜はベッドが占領されていることを思い出した。
そりゃあ、さすがにキングサイズ。二人どころか、三人だって寝れそうな広さだ。だがしかし、この世には越えてはならない一線と言う物があってですね──
「ふぁぁあ〜あ」
レンは一つ大きなあくびをすると、何の抵抗もなく少女の横に横たわった。ここら辺が密かに囁かれている、レン超天然説の元なのではないだろうか。
ベッド際の壁を叩き、浮かび上がった室内操作ウインドウに指を走らせ、明かりを落とす。
薄青い闇の中、純白の髪を持つ少女は相変わらず昏々と眠り続けていた。
今まで意識的に彼女の過去に付いて考えないようにしていたのだが、こうして見つめているとどうしても思考がそちらのほうに向かってしまう。
親なり兄弟なりの保護者と一緒に過ごしていたのなら、まだいい。
だが仮にたった一人でこの世界にやってきて、約二年間を恐怖と孤独のうちに送っていたのなら──それはわずか八、九歳の子供には耐え難い日々だったろう。もはやどうしようもないくらいに壊れてしまった自分と同じように。
レンは最悪の事態を想像する。もし、昏々と眠り続ける少女の原因が、少女の心の状態に起因するものだとしたら。
アインクラッドにはもちろん精神科医などいないし、助けを求めるべきシステム管理者もいない。クリアには最低あと半年はかかると予想される。
少女の苦しみがどれほ
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