第九話 別れ
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分がしてしまった愚かな選択にただひたすら後悔していた。
もしかしたら、自分が本当の事を事前に言っていれば三人は死なずに、サチも聖杯戦争に巻き込まれずに済んだのかもしれない。
そんな事をずっと頭の中でグルグル考え続けていた。
と、急に宿の扉が開いた。
そこには、真剣な表情をしたランサーと、まだ顔色が悪いが先程よりは心なしか血色がよくなっているサチが立っていた。
「サチ、もう大丈夫なのか」
「…うん、とりあえずね」
思わず問いかけてしまった。
今まで、いくつもの嘘を重ねてきた俺にそんな事を問いかける資格なんて無いのに。
「とりあえず、嬢ちゃんが動けるようになったからよ、教会に言ってくるぜ。セイバーに坊主、留守番頼む」
ランサーはそう言うとサチの隣に付いた。
「……じゃあ、キリト……行ってくるね」
「あ、ああ。行ってらっしゃい」
サチはそう言うとランサーと共に転移門へとゆっくりと歩き出す。
俺はその背が見えなくなるまで見送り、その後宿でサチとランサーの帰りを待つ事にした。
だが、その日サチとランサーは宿に帰ってくる事は無かった。
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あれから、何時間経っただろう。
俺はサチとランサーが帰ってくるのをひたすら待ち続けた。
あの教会は第一層にあり、転移門からは約30分とかからない場所に立地している。
神父と話しをするにしてもこんな時間まで帰って来ないのはさすがにおかしい。
「キリト、あまりにも遅すぎます。フレンドリストにはまだ彼女の名前は残っていますか?」
セイバーもこの事態に異常を感じたのだろう。
俺は急いでフレンドリストにサチの名前があるか確認する。
『Sachi』
俺はその名前がまだフレンドリストに表記されており、それに安堵する。
一度連絡を入れようか。
そう思い、名前にタップしようとした瞬間、メッセージを受信した。
送信者名には、
From Sachi
と表記されていた。
「セイバー、サチからメッセージだ!」
俺は慌てて、セイバーへとサチからメッセージが届いた事を報告する。
「何と書かれているのですか?」
そう聞かれ、俺は急ぎ内容を確認した。
そこには、
「そんな…」
思わず言葉が漏れた。
『キリトへ。
君にメッセージを送るのは初めてですね。
本当は口で言うべきなんだろうけど、キリトを前にすると、どうしても言えなくなってしまうでしょうからメッセージで送らせてもらいます。
私は、あの教会で色んな事を知りました。
聖杯戦争の事も、サーヴァントの事も。
キリトから説明もしてもらったけどあんまり深い所までは聞
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