第九話 別れ
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
サーは怪訝そうな顔をしながらもセイバーを見つめ返す。
「まぁ、そうだがよ、どうせ後から話すんだったら今話しても変わんねぇ気がするぜ」
「彼女はまだ自分が置かれている立場に、理解しきれていない。ならば、一度監督役の所へ出向き、聖杯戦争への参戦の意思を確認するのが先では」
セイバーはそう言い、サチへと視線を向けた。
監督役…。
つまりはあの教会にいる男、言峰綺礼だ。
最初に訪ねてから俺はあそこへ足を運んでいない。
何というか、なるべくあそこには近づきたくなかった。
いや、正確に言うと言峰綺礼と会いたくないのだ。
あの不気味な雰囲気、泥水の濁ったような眼、そして全てを見透かしたようなあの表情は、もう二度と見たくはなかった。
「監督役ねぇ…。まあとりあえずは、一度取り仕切ってるやつの顔も見てぇしな、行ってみるか」
そう言うとランサーは椅子から立ち上がり、グッと体を伸ばした。
「セイバー、監督役って…言峰綺礼の所へ行くのか?」
思わずセイバーに問いかける。
サチにあの男を合わせるのはなんだかマズイ気がした。
「ええ、一応聖杯戦争を取り仕切っているのはあの男です。何やら不穏な空気を出していますが、所詮監督役。危害を加えることは無いと思います」
セイバーは俺の考えていた事を察してくれたのか、そう答えた。
確かにあそこは圏内で、殺し合いが起きることはまず無い。
「ま、行くのは俺らだけだ。万が一何かあっても俺が付いてるからな。坊主達が気にするこたねぇよ」
ランサーは槍を肩にかけながら俺にそんな言葉を投げ掛ける。
そして、ランサーは俺から目をそらし
「で、嬢ちゃん。お前さんはいつまでそうしてるつもりだい」
自らのマスター、サチへと視線を移した。
「……」
サチは未だに黙ったまま視線を床へと落としている。
ランサーは、ハァーと息を吐くと俺に向き直った。
「セイバーに坊主、悪ぃんだが少し席を外しちゃくんねぇか。嬢ちゃんと二人で話したくてよ」
ランサーはそう言い、俺とセイバーを交互に見た。
「……そうですか。なら私達は宿の外で待つ事にします。よろしいですかキリト?」
「あ、ああ。そう言う事なら、その方が良いかもな」
俺とセイバーはランサーの提案に乗る事にした。
あくまであの二人は主従関係。
ならば二人にして色々話し合ったほうがいいだろう。
そう考えた俺はセイバーと共に宿の外で待機する事にした。
----------------------------------
30分くらいたったであろうか。
外で待機している俺とセイバーは何を話すわけでもなく、ただじっとサチとランサーが出てくるのを待っていた。
その間も、俺は自
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ