第九話 別れ
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、何が起こったのかを聞きたい。
そして、今私の前を歩いているこの人、
ランサーさんが何故なにも無い所から現われたのかも気になる。
私がそんな風に物思いにふけっていると、一階に着いたようで椅子にキリトが座っていた。
奥の壁際には、セイバーさんが鎧姿で立っている。
「あ…サチ起きたのか」
私が部屋に入ると、キリトが力無く声を掛けてくる。
「あ…うん。ついさっきね」
「……そっか」
「…ケイタは?」
「っ……」
キリトがふと息を詰まらせた。
ケイタも既にこの宿へ帰ってきてるはずだ。
何があったのだろう。
いつもキリトはあまり多く話す方ではなかったが、ここまで憔悴しきっているのは初めて見る。
「んじゃ、そろそろ始めっか」
カラッとした声が部屋に響くと、声の主であるランサーさんはキリトの座っているテーブルの椅子にドカッと座った。
「坊主、お前が言いだしたんだからな。嬢ちゃんにちゃーんと説明するってよ」
「……」
そんなランサーさんとは対照的に、キリトは俯いたまま動かない。
「…キリト、よろしければ私から話しますが」
壁際で無言を貫いていたセイバーさんが、キリトに声を掛けるが、
「……いや、俺から話すよセイバー」
キリトはそう言うと、顔を上げ私の顔をまっすぐ見つめた。
「……サチ――今から話す事は全部本当の事だし、俺が今まで君に隠してきた事。そして、これから君が実際に関わる事だ」
いつになく真剣な顔をしてくるキリト。
キリトの前に座るランサーさんは腕を組みながら私の顔を見つめ、セイバーさんは眼を閉じながら壁に背を預けたまま。
私はその顔を見つめ、これからキリトが話す事を戸惑いながらも聞く事にした。
例えそれが、私の運命を動かす事になっても。
------------------------
俺はサチにすべてを話した。
俺がレベルを隠して黒猫団に入っていた事はもちろん、俺が聖杯戦争という殺し合いに参加している事や、サーヴァントについても全て包み隠さずに。
サチは俺の話を黙って聞いていたが、彼女の顔はどんどん青ざめていくのが分かる。
俺は一通りの事を話し終えると、再び顔を俯かせてしまう。
彼女の顔を直視するのが辛い。
「……これが、俺が今まで関わってきた事。そしてこれからサチが関わる事だ」
顔を俯かせたまま、最後に彼女に言う。
俺の目の前に座っている彼女の顔は見えない。
「……ちょ…ちょっと待ってキリト――殺し合い…って――そんなの嘘だよね。だってこのゲームで死んじゃったら――本当に死んじゃうんだよ」
サチは俺の前で必死に問いかける。
声質から泣きそうになっている事もわかる。
「嘘な
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ