第九話 別れ
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あれから俺は黒猫団が泊っていた宿がある主街区へ何とか到着した。
ランサーは気を失ったサチを担ぎ俺の後ろを歩いている。
セイバーはランサーを警戒しつつ最後尾を歩いている。
「…………」
俺は声を発する事も出来ず、ただ無言のまま宿へと足を運ぶ。
正直、あそこでサチがランサーを召喚してくれなければ俺達は全滅していただろう。
だが、ギルドメンバーを一気に三人も無くした。
この状況では明るくふるまう事も出来ない。
むしろ明るくふるまえる奴がいたのなら、俺はそいつの正気を疑う。
やがて宿へと辿り着き、俺は無言のまま扉を開いた。
新しいギルドハウスの鍵をテーブルに載せ、俺達の帰りを待っていたケイタは、俺の後ろから入ってきたランサーを見ると、少し驚いたような顔をした。
「悪りぃな、嬢ちゃん気を失っているようだから先に寝かせておくぜ」
ランサーは、俺に部屋の場所を聞くと、そのまま二階へと上がって行った。
ここで、ケイタは俺にどういう事かを聞いてくる。
何故三人が死に、俺とサチとセイバーが生き残れた理由を、俺はケイタに話すことにした。
ケイタがギルドホームを買いに行っている間に少しでもコルを稼ごうと、迷宮区へと足を運んだ事。
そこはトラップ多発地域で俺やセイバーは知っていた事。
あの部屋でモンスタートラップに掛かり全員がピンチに陥った事。
セイバーのおかげでトラップを看破できたが、直後に現れたアサシンによって三人が殺された事。
俺達も殺されかけたが、ランサーのおかげで殺されず生き残れた事。
聖杯戦争の事については、セイバーが話すべきでは無いと判断し、ランサーはたまたま通りがかったソロプレイヤーという事にした。
ケイタはそのすべてを聞き、あらゆる表情を失い、黙って立ちあがった。
おぼつかない足取りでケイタは扉の前に立つ。
「……ビーターのお前が、僕達に関わる資格なんて無かったんだ」
ケイタはそう言うと、宿から飛び出した。
俺は急いで彼を追いかけるが、結局追いついた時には転移門から別の階層に跳ぶ直前だった。
急いでフレンドリストを確認し、行き先を確認するが、
フレンドリストには彼の名前はなかった。
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眼を覚ました私は、ランサーさんの後に続いて下の階へと続く階段を下りていた。
服は、あの時着ていたままで眠っていたが、今は楽な部屋着を纏っている。
階段下りている最中、疲れがたまっていたのか少しふらつく。
「大丈夫か嬢ちゃん。疲れてんのならまだ寝てたっていいんだぜ」
前を歩くランサーさんは、ふらつく私を見てそう言ってくれるけど、
「平気。私はもう大丈夫ですから」
今はキリト達の所に行ってあの後
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