第二章 A's編
第四十六話 『守護騎士との出会いの話』
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って町一つを生贄に捧げるなんてわけない人もいるわけですし。
それに紛争地域の人々はどうせ死ぬんだから、殺されるんだからと勝手に決め付けて尊い命に値段をつけて攫っては実験材料にしてしまう魔術師もいるわけでして…。
とても私達魔導師とは相容れそうにありませんね」
「ですが僕達の世界にもそういった人を攫う違法組織は存在するわけで一概に世界のあり方を否定できないのが痛いところですね。
そしてそんな世界だったからこそシホはすべてを救う正義の味方という夢物語のような理想を目指してしまった。
衛宮切嗣という人物を否定するわけではないけど、シホが言うように呪いという言葉はしっくりとくる。その際たる例が英霊エミヤという存在だな」
その名前が出てきた途端、私は悲しい気分になった。
「…私は、一度は母さんに存在を否定されたけど最後の瞬間には本当の想いを知ることが出来た。
でも、シホはエミヤとの戦いで未来の自分自身の手で存在を全否定されてしまった…。
結果的にエミヤはシホを認めたらしいけど、でもそこまで後悔するほどに正義の味方になるべきではなかったと思うようになるのにはどれだけ絶望を味わってきたのかな…?」
「世界の奴隷…世界を滅ぼしうる因子が発生したと世界が認識して初めて召喚される守護者。
しかし召喚されるタイミングはいつもすでに手遅れな現場。
関わったすべての人間を殺す事によって事態を終息させる自由意思を奪われたエミヤ曰く掃除屋…」
「世界という意思も残酷ですね。エミヤは世界と契約すればもっと助けられる人の数が増えると思い契約したのに殺戮だけを命じるんですから…」
「シホは…イリヤさんのおかげで世界ともう契約をしないと心に決めているけど、でもまた語りかけてくるかもしれないと思うと…怖いです」
私は自分の体を抱きしめて震える体を必死に抑えた。
「語りかけてくる世界の声か。そんなオカルト染みた話ももしかしたらこの世界にも存在するのかもしれないな。
この世界の地球にもシホの世界の地球と同様に様々な英雄の話があるし、次元世界も含めるとベルカ時代の名のある王や騎士達も座という場所にいるかもしれない。
なんせ過去・現在・未来・並行世界・果てには創作の架空の人物ですら名が残れば英霊として昇華するんだからな」
「でも私は、シホにそんな場所にいってほしくない」
「そうだね。でももう大丈夫じゃないかな?
今のシホちゃんは正義の味方という理想はある事には変わりないけど、けどもう内容は【すべてを救う正義の味方】から【大切な人達を守れる正義の味方】に変化しているから。
きっと大丈夫だよ」
「そうですね。それにイリヤさんの願いであるシホさんの幸せの探求も私達で一緒に探していけばいいと思うわ」
「そうですね、母さん。だからシホの秘密は管理局には
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