第十五話
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まって。などという事情だった。
「お爺ちゃーーーん!ボクも故郷を離れてさみしいの>< 」
そんな言葉と共に抱きついてあげたら涙を流して喜びました。
チョロイよなぁ。だが、これは使えそうだ。まずは信頼関係の構築をじっくり組みましょうか。
それから毎日、お爺ちゃんの様子をよく観察するようにした。
予想通り騎乗中や乗り降りで鞍に座る時がつらそうだ。
かのナポレオンにしろドン・ファン・デ・アウストリアにしろ優れた指揮官と呼ばれた人達には職業病がある。
痔疾だ。
そして、俺はそれに効く薬草を持ち込み育てていた。
レンスターから持ち込んだドクダミ。
この世界、社会的地位が高い人になればほんの小さな痛みでも回復の魔法ですぐに痛みそのものを消してしまう。
「あなたにライブ〜^^ 」
という感じで。
痛みの原因を治すか弱めるか、そういう方面の研究は進んでいるのか疑問を持っていた。
植物がたくさん生い茂る環境ならば、薬草の専門家などが自然発生的に現れるであろう。
ここ南トラキアは全く植物が育たないと言う訳ではないが、自生してる草の種類はそう多くはなさそうだから余り発達してないだろうとアタリをつけていたのだ・・・
充分に懐いたおじぃちゃんに、言葉を慎重に選んでも失礼ではあるのだがなるべく失礼にならないよう痔のことを確認した。
細めの木の台に楕円の縦溝を彫り、丸めの石でぐちゃぐちゃやって生薬と乾燥したドグダミを渡して使い方を説明した。
生薬はなるべく清潔にした患部に直接、乾燥したほうは細かく砕いて水やお湯に溶かして飲んだりお風呂へと。
そして俺は生えてるドクダミを1本ひっこぬくと水で洗い、そのまま食べた。
毒なんて無いですよアピールなのだが念の為、しかし慣れてもキツイんだこの臭いと味は。
「毒とかは無いのでだいじょぶです。ちょっとニオイが独特ですけれど、気味が悪かったら捨てちゃってください、でも痛いのが少しでも良くなって長生きしてくれたらボクはうれしいの(はぁと)」
って上目遣いでお願いした。
3日、出来れば1週間、理想は1カ月続けてくれたらなぁ・・・と思いながらも今日1日ぶんを手渡した。
……翌日もそのあとも、さらにそのあとも使ってくれたようです。
水がそこそこ貴重な環境なもので乾燥のほうは小さなタライにお湯と乾燥ドクダミいれて患部だけ浸かってたってお話でした。
おじぃちゃんは同じ苦しみを患うお友達にも効果を伝えてくれて、薬草園は大忙しになりました。
それから3カ月もしないうちにトラキアの王宮へと呼び出された。
談話室のようなところで待つように言われると、そこにはお爺ちゃんとその友達が数
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