諦めたくない
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「嫌だ」
「ふざけるな!」
キリトもゲツガもそうリーファに叫ぶ。
「俺が生きている間は、パーティーメンバーを殺させやしない。それだけは絶対に嫌だ」
「ああ、まだ確実に負けと決まったわけじゃないのにこんなところで諦めたくはない!」
そうリーファに叫ぶとゲツガは敵を見据える。しかし、ゲツガの持っている矢の数もHPとも残りはそこまで残っていない。ここは本気で行くしかない。ゲツガはスペルを唱える。それに気付いた、キリトと対峙していたプレイヤーたちが少しずつ後退しながらそれを中断させようとする。しかし、それをキリトは許さない。キリトはそいつらに向けて連続攻撃をして止めていた。
「やらせるか!!」
唱え終わったゲツガはキリトに礼を言った。
「キリト!サンキュー!おかげで何とかできそうだ!」
そう言って、手を地面に向けると魔方陣が足元に展開される。それを仕掛けたゲツガは叫ぶ。
「キリト!!リーファ!!ちょっと揺れるぜ!!」
ゲツガはそう言ってそのまま地面に拳を叩きつける。ゲツガのパンチは橋全体を揺らす。その揺れに反応するかのように大きな揺れに変わった。この魔法は倍加魔法。物理攻撃等の攻撃は上げられないが衝撃、揺れ、魔法の飛距離などを伸ばすことのできる魔法だ。
「うおっ!!」
メイジ隊はスペルを唱えられなくなり地面にへばりつくか転ぶ。盾のプレイヤーも揺れにだけは対応できないようでその場で転んだ。キリトとリーファはというと高くジャンプをしていて免れていた。その時、ゲツガの耳にユイの声が聞こえた。
「パパ、今です!」
キリトはそう言われると空中で何かのスペルを唱え始める。ゲツガは何のスペルかはわからないがとにかくキリトを信じるしかない。そして、スペルを唱え終わったキリトは周りから黒い煙が集まって姿を隠してしまった。そして、ようやく橋の揺れが収まるとメイジ隊も盾とメイスのプレイヤーも盾だけの防御専門のプレイヤーもたって再び隊列を立て直し始める。それと同時に黒い煙が大きくなっていき、ドスンと大きな音を立てて地面に着陸した。その音に一瞬全プレイヤーがその黒い煙の塊を見た。そして、その塊から
「ゴアアアアアアア!!」
獣の咆哮のような叫びが響くとともに大きな煙の塊が吹き飛び、中からはSAOの七十四層のボスモンスター、グリームアイズに似たようなモンスターが姿を現した。
「まじかよ……幻覚魔法でこんなことも出来るのか……」
ゲツガはさすがにモンスターの姿になったキリトをみて唖然とした。しかし首を振って、何とか驚きをどこかにやってサラマンダーたちのほうを向く。サラマンダーはモンスターの姿になったキリトを見て、全員凍りついたように動かなくなっていた。その隙を
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