第五話
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「ねえお姉様。なんでこんなところに外来人がいるの?外来人は敵じゃないの?」
「ええそうよフラン。彼は敵じゃない……味方よ」
「へぇーそんなんだ」
フランはそう言いながら俊司の元に駆け寄り、マジマジと彼の目を見つめた。
「名前は?」
「里中……俊司」
「俊司……俊司お兄ちゃんだね。私フランドール・スカーレット。フランって呼んでね?」
「ああ……よろしくフラン」
「うん」
元気よく挨拶するフラン。俊司はそれを見てどこか懐かしそうな顔をしていた。
「どうしたんですか?俊司さん」
「ああ……ごめんごめん。妹のこと思い出してさ……」
「妹さん……ですか?」
「あいつ元気にしてるかな……」
俊司は軽く天井を見ながら、ここに来ることになった日のことを思い出していた。
俊司が幻想郷に行った当日
この日の朝、部活の朝練がなくなったにも関わらず俊司は朝早くから起きていた。
「はぁ……習慣ってこわいなぁ……」
とは言ったものの二度寝をすることもなく、俊司は冷蔵庫からパンなどを取り出し朝食を作り始めた。
「とりあえず今日は当番だし、あいつの分も作っておくか……」
俊司はコンロに火をつけると、卵を4つほど使い目玉焼き作り始めた。
二年前からある事情で頻繁に食事を作ることになり、俊司の料理の腕前はなかなかといったところまで上達していた。まあ、自炊しているわけでもないのであまり意味はないのだが。
そうこうしていると、二階から高校生くらいの少女が眠たそうに降りてきた。
「……あれ?お兄ちゃん起きてたの?」
「ああ、鈴おはよう」
降りてきたのは俊司の妹『里中 鈴』である。俊司の二つ年下で今年高校生になったばかりの少女で、俊司とは結構仲が良かった。
「朝練なかったんじゃないの?」
「ああ、習慣で起きちゃって……」
「そうかー。そりゃあ仕方ないよね。じゃ、シャワー浴びてくるね」
鈴はそう言って風呂場に向かった。
約三十分後
朝食も食べ終り何もやることがなくなった俊司は、少し早いが学校に向かうことにした。
「もう行くの?」
「ああ、やることないし」
「わかった。あ!そうそう、今日は早く帰ってきてね!」
「なんで?」
「この前の大会で優勝したのはどこの誰かさんでしたよねー?」
「ああ……それがどうした?」
「もう!お祝いするから早く帰ってきてってこと!」
鈴は少し恥ずかしそうに顔を赤くしながらそう言った。
「そういうことか……ありがとな」
「……はいはい。
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