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万華鏡
第十九話 ビーチその九
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「いや、本当にさ」
「そうかしら」
「ああ、凄くな」
「そう、きめ細かい感じでしかも白くて」
「雪みたいだよ」
 そしてこうも言う美優だった。
「お肌もあるんだよ」
「胸とかお尻だけじゃなくてなのね」
 彩夏が応えて言う。
「そうなのね」
「ああ、女の子ってのは本当に総合でさ」
「お肌も入るから」
「肌は里香ちゃんだよ」
 彼女が一番だというのだ。
「いや、もうダントツだよ」
「だから止めて欲しいんだけれど」
 里香の声は次第に抗議めいてきていた。
「恥ずかしいから」
「悪い、じゃあ止めるな」
「ええ」
 恥ずかしそうに身体を小さくさせて返す。
「そうしてね」
「そうだな。じゃあ日焼けして後が痛くならない様にクリームを塗って」
 それからだった。
「あとは泳いだりして遊ぶか」
「そうしようね。あっ、西瓜割りする?」
 琴乃は砂浜の売店に西瓜があるのを見て言った。
「それする?」
「あっ、いいわね」  
 里香が最初に乗った。
「それじゃあ今から」
「割る?」
「いや、今割るよりもな」
 どうかとだ、美優も言ってきた。
「それよりも焼きそば食った後の方がいいだろ」
「お昼のおやつにするのね」
「まだ海に来たばかりで泳いでないしさ」
 このことも話す美優だった。
「口が海水で塩辛くもなってないし身体の中の水分も充分だろ」
「つまり今食べてもまだ美味しくないのね」
「それに冷やさないとな」
 美優は持って来たクーラーボックスも見る、ビール用と食材用の二つがある。
「そうしたら余計に美味いさ」
「じゃあ今は買ってもなのね」
「切らないでな」
 それでだと琴乃に言う。
「お昼に焼きそばの後で楽しくな」
「わかったわ。じゃあ」
「買ってクーラーボックスの中に入れればいいさ」
 どちらのクーラーボックスもかなりの大きさだ。西瓜一個はどちらにも入れられるだろうと踏んでの言葉だ。
「入らないんだったら二つに切って」
「半分ずつ入れるのね」
「ああ、そうしような」
「それじゃあ」
 こうしてまずは西瓜は買うだけだった。食材の方に大きなものが一個入った、それを入れてからあらためてだった。
 五人で海で泳ぎ砂浜で遊んだ、そして。
 まずは昼までじっくりと身体を動かした。一キロはある先の小島まで遠泳もしてそのうえで身体を動かしきった。
 それが終わってから焼きそばだ。熱した鉄板の上に豚肉を置いてそれから焼きはじめる。
 箸で時折その豚肉をひっくり返しながら琴乃は言った。
「ねえ、往復で二キロ泳いだけれど」
「泳げたわよね」
「ええ、確かに疲れたけれど」
 同じく豚肉を焼く彩夏に言う。周りの三人もそれぞれ仕事をしている。
「意外と泳げたわよね」
「そうよね。二
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