SAO編
episode2 風来坊の止まり木
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の治安維持。少なくない犯罪者プレイヤーの存在するこのゲームだが、攻略組にもそいつら全員を取り締まる余裕はない。それが出来るのは、巨大な構成員数を誇るこの『軍』だけなのだ。倒れて貰っては困る。
とりあえず今日は朝はダンジョン、昼から報告書作りで疲れた。
さっさと帰って寝てしまおう。
なんか言いたげな二人を背に、俺は転移門へと歩き出した。
◆
「ふっふっふ!」
「デジャヴだなぁ、ったく」
二十七層の転移門へと帰ってきた俺を出迎えたのは、どこかで見たことある様ななんちゃってボックス行為に、どこかで聞いたことある笑い声。
とりあえず、
「うるさいから店にいくぞー」
「あっ、首締めないでっ、自分で歩くよっ、」
「はいはい、いいからいくぞー」
「おっ、すごいっ、コードが発動しないぎりぎりの苦しさっ!!!」
やけに偉そうなソラをさっさと引き摺っていく。
うしろでファーが苦笑いを浮かべ、レミが両手をヒラヒラさせる。
とりあえずため息一つ。
はあ。
「ま、待って待って、今日はそんなに時間かからないからさっ!」
「なんだよ全く。そういって前はそこそこかかったろうが、今回も、」
「今回は賄賂が一つと、お願い一つだからっ! すぐすぐっ!」
「そんな言って前回も、っ!」
突然表示された交換ウインドウ。そこにあるアイテムは一つ。
《ミスリルド・ガントレット》。
希少品である『ミスリル』。それを、使い道など殆ど無い円形盾派生防具に使う奴など、ほぼいない。当然どこかに売っている訳もない。オーダーメイドだったのだろう。
「えっとねっ、知り合いの鍛冶屋の子に怒られちゃったよー! 「いきなり来てすぐ作ってとは何事かー!」って。でもちゃんと作ってくれてねっ! 根は真面目ないい子なんだよねっ!」
「これ、よかったのかよ?」
「うんっ! 出してみてみてっ!」
言われるままに実体化してみる。
現れたのは、薄緑色をした、前腕をすっぽり覆うサイズの金属製の手甲。手にとってみたが、その重量は驚くほどに軽く、俺でも装備するのは容易いと思われた。手にとった瞬間の俺の顔を見て、ソラがニコリと笑う。
「よかった。これなら装備出来そうだねっ!」
「いや、だが、っ!」
急に顔を覗きこまれて、驚いて仰け反る。はっきり言ってソラは、『狂戦士』のような絶世の美女というわけではないが、下からのやや見上げるような笑顔は、なにか健康的な、無防備な魅力を持っていた。
正直に言おう。
ちょっとだけ、くらっときた。
「お願いが、あるんだっ」
笑顔が、上目遣いに変わる。
「あのねっ、わた
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