SAO編
episode2 唐突で強引な出会い2
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だが、この女はそれに匹敵するレベルを持っている。それを聞いて、ボリュームゾーンの出身の二人についても納得する。
「んじゃあ、ソラさん…ソラが、この二人にレベリングと情報提供を行いながらプレイしてるってわけだ。ということはこのギルド…じゃないのか、パーティーの方針を決めてんのもソラなんだな。で、今回俺に頼みたいことがある、と」
「おおっ!!? なんで分かったのっ!? 大正解っ!!」
最前線と同じ程度のレベルで狩りをするのはかなり危険を伴うが、そのゾーンの危険場所の情報や高価な武器防具を持っていて、しっかりとフォローしてくれるパーティーメンバーがいれば不可能では
ない。恐らく攻略組の一員なのだろうこの女がいるからこそ、の荒技だが。
で、話をもとに戻すか。
「俺に頼みたいことっていうのは? 俺は基本的にビジネスマンなんでね。相応の見返りがあるなら協力してもかまわないが」
「うん。えっとね、あたし達、今この層でクエスト依頼を受けてるんだけどねっ。それのクエストがどうにもクリアできなくって。どうしても敏捷値が高い人の助けが必要になっちゃったんだっ。それで、」
「…ははあ、なるほどな」
確かに俺のスキル構成が敏捷一極…少なくともかなり敏捷値に偏ったものだと知る人間は少なくない。ペラペラしゃべる奴でもないんだが、知られていても不思議はない。
と、ふっと違和感に、気付いた。
今こいつなんて言った?
「…ちょっと待て。この層のクエスト、って言ったな? なんていうクエだ?」
「んっ? えっと…確か『炭鉱の通路開通』っていうクエだったけど」
…マジかよ。
数分後、俺は三人に明日協力することを話し、報酬は「そのクエの情報の説明書きの作成、配布の権利」で手打ちとした。一人で行けばクエスト報酬も一人占めだろうが、既に受けられてしまっていてはどうしようもない。ちなみに今回のクエは一度受けたクエの依頼を破棄しない限り別人が受けられないもので、破棄できるのは受けた本人達だけだ。こいつらは、諦めて破棄、はしないだろう。
この時は、「面倒だな」としか思っていなかった。
だが、後から思えば、こいつはいわゆる「運命の出会い」って奴だったのかも知れない。
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